2019年2月19日~2月25日
原油情報 2019年2月25日
週末22日の原油相場は反発。米中通商協議の進展を期待した買いが続き、WTI期近4月限は一時57.81ドルまで上昇、期近ベースとしては11月中旬以来の高値を付けた。
追加関税の発動期限が迫るなか、米中両国は合意に向けた協議を続けており、両国首脳は近く会談を行う見通しを示した。トランプ米大統領は最終合意の可能性もあると言及、協議進展の場合には合意期限延長の可能性もあるとしている。貿易戦争終結に向けて着実に前進しているとの見方が広がり、投資家心理が改善してリスク選好ムードが強まった。株式市場の上昇に連れた買いが入るとともに、エネルギー消費大国の両国の原油需要減退観測が和らいだことも買いを促した。また、石油輸出国機構(OPEC)主導で進めている協調減産により、市場均衡への期待が高まりつつあることにも支えられた。
ただし、米国の生産増加傾向が上値を抑えた。前日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油生産量は日量1200万バレルに達したことが明らかとなっている。シェール活動が引き続き活発であり、今後も生産増加傾向は継続するとの見方から上値は重く、前日高値を上回るも上げ足が強まるには至らなかった。
原油情報 2019年2月22日
21日の原油相場は期近安期先高。米原油在庫の増加を嫌気した売りが優勢となった。納会によりこの日から当限に回ったWTI期近4月限は手仕舞い売りに押され軟化した。7営業日ぶりの反落。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は増加した。これで5週連続の増加。前日に米石油協会(API)が発表した統計を上回る増加で、事前予想の増加幅も上回った。在庫増が嫌気されるとともに、原油生産量が過去最高を更新したことで、供給増加観測が一段と強まった。また、原油輸出量も過去最高を更新。輸出需要が増えたにもかかわらず在庫が積み増しとなったことから、過剰供給への懸念が強まる格好に。同時に輸出増により世界の原油需給の緩みへの警戒も高まった。
米中通商協議への進展期待から下値は支えられたが、年内の追加利上げ観測やこの日に発表された米経済指標が思わしくない内容だったこともあり株価は反落。投資家心理の冷え込みが原油相場にも及び、売りが誘われた。直近に6営業日続伸していたこともあり、限月交代に伴い利益確定の売りも出やすかった。
原油情報 2019年2月21日
20日の原油相場は続伸。主要産油国の減産や米中通商協議への進展期待を背景に買いが先行した。WTI期近3月限は一時57.55ドルまで上昇し、期近ベースとしては昨年11月中旬以来の高値を付けた。6営業日続伸。
サウジアラビア主導で、石油輸出国機構(OPEC)らは協調減産を順守する姿勢を示している。ナイジェリアはこれまで減産を免除されていたが、今回の減産から復帰している。減産を順守するか懐疑的な見方もあったが、同国は大統領選挙を控えるなか治安が悪化、選挙も延期されており、違った形での供給不安がある。そのような状況下、政府高官が減産に前向きな姿勢を示したことで、供給が絞られるとの見方がより強まった。イランやベネズエラは減産を免除されているが、生産減少への懸念が強く、またサウジアラビアは3月の追加減産を表明しており、需給均衡により近づくとの観測が強まった。
景況感の面においては、米中通商協議への進展期待が高まっている。トランプ米大統領は前日、協議はうまくいっているとした上で、合意期限延長を検討していることを示唆した。経済減速への懸念が後退することで、エネルギー需要が抑制されるとの警戒も和らいだ。また、この日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて株価が上昇、リスク選好度が増したことも原油相場を支える一因となった。
原油情報 2019年2月20日
19日の原油相場は続伸。米中貿易摩擦解消への楽観的な見方を背景にリスク選好ムードが強まった。協調減産による供給減少も支援材料となり買いが先行、5営業日続伸となった。
ワシントンで米中通商協議が再開、包括的合意への期待感が広がり、投資家心理が改善した。安全資産としてのドル買い需要が後退しドルが対主要通貨で下落し、ドル建てで取引される原油に対して投資妙味が高まった。また、株価上昇もあり、リスクオンムードが原油相場にも波及し買いを集めた。
1月からの協調減産による需給改善への見方も相場を支えた。サウジアラビアが生産、輸出をさらに削減するという。昨年11月には日量1100万バレルを超える水準の生産量だったが、1月には同1000万バレルほどへと縮小し、3月には同980万バレル程度の生産にとどめる予定で、割当数量を50万バレルほど下回ることになる。それに伴い輸出量も大幅に削減される見通し。なお、アジア地域へは契約通り全量を供給する模様で、欧米向けの輸出が減るとみられる。サウジアラビアを筆頭に、石油輸出国機構(OPEC)らは協調減産を順守しているとの観測のもと、買いが集まった。WTI期近3月限は一時56.33ドルまで上昇、終値ベースでも56ドル台を維持した。
原油情報 2019年2月19日
週明け18日の原油相場はプレジデンツデーのため休場。
欧州市場でドルが対ユーロで軟化したため、時間外取引でも堅調地合いを継続、WTI期近3月限は56ドル台へと値を上げた。米中通商協議に対する楽観的見方が続き、リスク選好度が増したことでドル売りが継続した。ただ、米国市場が休場となるため商いは少なく、ドルの動きは限定的、そのため原油相場の上値も限られた。
米国時間に入ると、ユーロ/ドルは下落に転じ、原油相場も上値を抑えられた。米商務省が、自動車関税に関する報告書をトランプ米大統領に提出、これに対して欧州委員会は自動車への追加関税を決定すれば報復措置を取るとの姿勢を示しており、リスク回避的な動きからドルが買い戻された格好。そのため原油に割高感が生じ、上げ幅を縮小する動きとなっている。
(提供元:CREEX)