2019年2月12日~2月18日
原油情報 2019年2月18日
週末15日の原油相場は続伸。米中通商協議が進展するとの期待感が高まり、エネルギー需要の減退への懸念が和らぎ買いが優勢となった。また、サウジアラビアの油田が一部操業停止となっているとの報もサポート要因となった。4営業日続伸。
米中貿易問題を巡る閣僚級会議が、今週もワシントンで開催されるとの報が入った。3月1日の期限を前に合意へと詰めたいとの思惑が広がり、景気減速への警戒が後退した。これに伴いリスク選好度が高まり、ドルは軟化、株価は上昇し、原油相場も買われた。景気後退懸念が薄れたことで、原油需要の鈍化への警戒感も和らいだ。
また、サウジアラビアの主要油田が一部操業停止となっていることも支援材料となった。同国は減産を履行しているうえ、3月にはさらなる減産も示唆している。このような状況下、大型海洋油田であるサファニヤ油田が、事故により半月ほど前から操業停止となっているとの報が入った。同油田の産油能力は日量約100万バレルと大きく、需給に影響が出るとの見方が広がった。これらを手掛かりに買いが先行、WTI期近3月限は直近高値55.75ドルを上抜いており、踏み(売り方の損失確定の買戻し)を巻き込んで、買いに拍車が掛かる可能性がある。
原油情報 2019年2月15日
14日の原油相場は続伸。減産による供給減、ドル安を背景に買い優勢となった。3営業日続伸。
序盤は軟調な展開となった。この日発表された12月の米小売売上高が9年ぶりの落ち込みとなったことで、景気の先行きに対する懸念が強まった。さえない小売統計を受けて株価は軟調気味に推移、リスク回避の流れは原油相場にも波及し、売り物に押される展開となった。
しかし、株売りが一巡すると、基調は上向きに転じた。米中通商協議の交渉進展期待が広がり、エネルギー需要が抑制されるとの懸念が後退した。また、外為市場ではドルが対ユーロで下落、ドル建てで取引される原油に対する投資妙味が増したことも上昇の追い風となった。
戻り歩調となると、サウジアラビアなどの減産順守も買い材料視された。今週発表された石油輸出国機構(OPEC)、米エネルギー情報局(EIA)、国際エネルギー機関(IEA)の月報では、1月のOPEC産油量が前月比で減少したことが明らかとなっている。また、サウジアラビアはさらなる減産を検討しており、ベネズエラの供給減少の可能性もあるため、需給が引き締まるとの見方から買いが入った。プラスサイドに切り返した後も堅調に推移し、WTI期近3月限は一時54.68ドルまで上昇、ほぼ高値付近で取引を終えている。
原油情報 2019年2月14日
13日の原油相場は続伸。需給均衡への期待や株高を背景に買いが優勢となった。ただし、米国の原油在庫が増えたため、上げ幅は限られた。
国際エネルギー機関(IEA)がこの日に公表した月例報告で、1月の石油輸出国機構(OPEC)産油量が大きく減少したことが明らかとなった。サウジアラビアを筆頭に協調減産を進めており、目標対比で高い生産抑制を実行している。同国のファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、3月にはさらに日量約50万バレル減産する計画を明らかにしており、需給緩和に対する懸念が後退した。また、米中通商交渉の進展に期待が高まっており、リスク選好の流れから株価が上昇、この動きに歩調を合わせて原油も買いが集まった。WTI期近3月限は一時54.60ドルまで値を上げた。
しかし、上値は限られた。前日に米石油協会(API)が発表した統計では原油在庫は予想外の減少となったが、この日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した統計では予想以上の増加に。これで4週連続の増加。輸入が抑制されたが、一部製油所の定修やトラブルによる稼働停止の影響からリファイナリーの稼働率が大きく低下したことが要因。大型製油所であるエクソンモービルのルイジアナ州バトンルージュの製油所は11日から定修入りしており、今後も稼働が抑制される公算大。また、石油製品在庫も積み上がったため、米国の需給緩和を嫌気した売りが上値を抑えた。また、55ドルの節目が再びレジスタンスとして意識されており、この水準に近づいたことで買いが途切れた感も否めない。
原油情報 2019年2月13日
12日の原油相場は反発。石油輸出国機構(OPEC)の減産、米中通商交渉の進展期待などを受けたドル安および株高などを手掛かりに買いが先行した。
OPECがこの日に発表した月報のなかで、1月のOPEC産油量が日量80万バレルほど減少したことが明らかとなった。OPEC盟主サウジアラビアを筆頭に、1月からの協調減産を履行していることが判明し、需給緩和感が解消に向かうとの見方が広がった。また、同国エネルギー相は同日、来月の産油量をさらに引き下げる方針を明らかにしており、需給が均衡していくとの期待感が高まった。
また、トランプ米大統領が米中通商協議について前向きな見解を示したことを市場は楽観、リスク選好ムードが強まった。さらに米政府機関の再閉鎖を回避すべく、与野党が原則合意したことも楽観ムードを高めた。これらを背景にドルは下落、株価は上昇し、この動きに連れて原油も買いが入った。
ただし、ある程度市場では織り込んでいたこともあり、上げ幅は限られている。また、OPEC、米エネルギー情報局(EIA)ともに米国の産油量見通しを上方修正したことも上値抑制要因となった。なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比99.8万バレル減と減少した。事前予想は270万バレル増。これを受け、時間外取引では幾分買いが優勢となっている。
原油情報 2019年2月12日
週明け11日の原油相場は反落。ドル高を背景に売りが先行した。米国の需給緩和感も圧迫要因となった。
米中通商協議に対する懸念のほか、欧州の景気減速への懸念も強く、安全資産としてのドル買い需要が高まった。両国の次官級協議が始まったが、依然として不透明感が強く、一部では3月1日の期限延長との見方も出始めている。ドル高を背景にドル建て取引の原油に対する投資妙味は低下、売りにつながった。このほか米国の原油在庫の余剰感が増すとの見方も上値を抑えた。前週末に米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが公表した統計でリグ稼働数は増加した。また、一部製油所で火災が発生、これに伴い原油処理量が減少する可能性がある。生産増加、処理量減少により在庫余剰感が増すとの見方が売りを誘った。
(提供元:CREEX)