2019年1月8日~1月15日
原油情報 2019年1月15日
1/15号
週末11日の原油相場は反落。ドル高や株安の影響を受け、利食い売りに押される展開となった。10営業日ぶりの反落。
米中通商交渉の進展期待やサウジアラビアなど主要産油国の減産見通しを背景に堅調に推移、WTI期近2月限は一時53.31ドルまで上昇する場面も見られた。しかし、週末を控えるなか、直近の上昇に対する反動から利益確定の動きが強まった。株式市場も良好な地合いにはあるものの、こちらも利食い売りが先行した。また、テクニカル要因からドルが対ユーロで上昇したこともあり、リスク選好ムードの後退の影響が原油相場にも及んだ。
週明け14日の原油相場は続落。中国経済の失速への警戒や米株安を受けて売りが先行した。
この日発表された12月の中国の貿易統計で、輸出入はともに前年同月を下回った。米中貿易摩擦が激化していることで、中国の貿易に支障が出ていることが確認された。これを受け、中国の経済減速に伴うエネルギー需要の減退観測が広がった格好。また、株式相場もこれを嫌気して続落。リスク回避の流れが原油相場にも及び、軟調ムードとなった。
原油情報 2019年1月11日
1/11号
10日の原油相場は続伸。株高を眺めた買いが続き上値を伸ばした。WTI期近2月限は一時52.78ドルまで上昇し、約1ヶ月ぶりの高値を付けた。9営業日続伸。
米中通商協議の進展期待から底堅い動き。また、サウジアラビアやロシアの減産実施による需給改善への期待も下値を支えている。堅調地合いのなか、特段目新しい材料は見当たらなかったが、株式市場が5営業日続伸となり、リスク選好度が増していることで、リスク資産の一角とされる原油にも買いが集まった。
年末商戦の低調さが示されたことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のバランスシート縮小発言を受け、一時株式市場は売りが先行する場面もあったが、米中貿易摩擦を巡る警戒感が後退しており、プラスサイドに切り返して引けている。直近の原油相場は株価との連動性が高く、原油相場も一時利食い売りに押される場面もあったが、最終的には株価上昇に連れ高、プラスサイドに浮上した。
10月初旬から続いた下げ基調におけるダウントレンドラインをアップブレイクしたことで、中長期的なトレンドとしては基調転換したと判断できよう。短期的には、11月下旬から12月初旬にかけて揉み合いが続いた52ドルを中心とする水準まで値を戻している。足元の水準からもう一段値を上げるようだと、踏みを巻き込んでの本格上昇への期待へとつながるが、もたつくようだと戻り一服感が強まりやすいので要注意。
原油情報 2019年1月10日
1/10号
9日の原油相場は続伸。米中通商協議の進展期待やドル安に支えられ、上値を伸ばす展開となった。WTI期近2月限は一時52.58ドルまで上昇、約1ヶ月ぶりの高値を付けた。8営業日続伸。
前日引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比610万バレル減と事前予想を大幅に上回る減少となった。これを受け時間外取引は堅調さを維持、節目の50ドルを上回った。通常取引開始後は、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計を受け一時押される場面も見られた。EIA統計では、原油在庫は減少したものの事前予想ほどは減少せず、方や石油製品在庫は予想を大幅に上回る積み増しを記録、これらに圧迫された。
しかし、米中通商協議が進展することへの期待感が高まり、ドル安や株高に連れて再び切り返し、その後は値位置を切り上げる動きに。7日から始まった米中次官級協議に歩み寄りがあったと伝わると、進展の兆候から楽観ムードが広がり、リスク選好から安全資産としてのドル買い需要が後退、ドルは下落し、ドル建て取引の原油に割安感が生まれた。リスクオンの流れは株価を押し上げ、この動きに原油相場も追随した。また、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が減産や輸出減少に関して言及、これもサポート要因となった。終盤の押し上げにより、約1ヶ月ぶりの高値水準で取引を終えた。
原油情報 2019年1月9日
1/9号
8日の原油相場は続伸。石油輸出国機構(OPEC)らによる協調減産の効果や米中通商協議の進展などへの期待感から買いが優勢となった。7営業日続伸。
特段目新しい材料は見当たらなかったが、ここ最近の強気のセンチメントが継続、上値を伸ばす展開となっている。今月からOPEC加盟国およびロシアなど一部非加盟国による日量120万バレルの協調減産が実施され、前日にはサウジアラビアが原油輸出量を減らす計画があると伝わったこともあり、市場均衡に向け供給過剰感が後退するとの期待がある。これまで供給要因から売られていたこともあって、その反動から買い気が強まっている。
また、需要面からも買い支えられた。米中貿易問題が懸念されていたが、7日から次官級協議が始まっており、両国が歩み寄ることで貿易摩擦が緩和するとの期待が高まった。両国は石油消費大国だけに、景況感の改善は需要伸長への期待とつながる。また、協議進展への期待は投資家のリスク選好度を強め、株式市場の上昇に追随してリスク資産の一角とされる原油相場も押し上げられた。
WTI期近2月限は一時49.95ドルまで上昇する場面も見られた。節目の50ドルが強く意識された格好。同水準を上抜くと、短期戻り期待や売り方のストップオーダーを巻き込み、上げ足速める可能性が高い。
原油情報 2019年1月8日
1/8号
週明け7日の原油相場は続伸。需給改善への期待やドル安、株高を背景に買いが先行した。
今月から石油輸出国機構(OPEC)らによる日量120万バレルの協調減産が実施されるなか、12月のOPEC産油量が減少したと伝わった。また、サウジアラビアが油価上昇に向けて輸出量を削減するとも伝わり、需給が引き締まるとの見方が広がった。さらにWTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が減少したとの報もある。米エネルギー情報局(EIA)週間石油統計では、クッシングの原油在庫は6週連続で増加中であり、これが減少に転じたとの報を市場は好感した。
ドル安、株高も上昇の追い風となった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げペース減速観測からドルは対ユーロで軟化、ドル安に伴う割安感から原油買いが入った。株式市場は米中通商協議再開を受け続伸、リスク回避ムードの後退から株高に連れて原油も買い支えられた。
クリスマス前後の安値42ドル台を底に、チャート上では緩やかに切り返すなべ底相場を形成。この日、WTI期近2月限は一時49.79ドルまで上昇、節目の50ドル目前まで値を上げた。年をまたいだことにより玉整理も一巡した可能性もある。50ドルを上抜くと、昨年11月後半から揉み合った52ドル水準までの上昇は速いだろう。ただし、50ドルを上抜けずにモタつくと、戻り一服から調整安を余儀なくされる可能性が高い点には注意が必要である。
(提供元:CREEX)