2019年1月16日~1月21日
原油情報 2019年1月21日
1/21号
週末18日の原油相場は反発。米中通商問題が解決に向かうとの楽観が広がり、投資家のリスク選好姿勢が強まったことで買いが集まった。WTI期近2月限は一時53.92ドルまで上昇し、期近ベースとしては昨年12月上旬以来の高値を付けた。ほぼ高値付近で取引を終えている。
一部報道で、トランプ政権が中国からの輸入品に対する関税の撤廃ないしは引き下げを検討していると伝わった。また、中国側は今後6年間で米国からの輸入を拡大する目標を提示したとも伝わった。前者に関しては財務省報道官が否定、後者に関しても輸入拡大提案が合意するかは不透明だが、市場では両国の貿易不均衡が是正されるとの通商交渉の進展期待が高まった。エネルギー需要の減少懸念が後退するとともに、同報を受けて株価が上昇したことで、リスク選好度が高まったことも原油相場を押し上げた。
また、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが公表した統計で、リグ稼働数が前週から21基減少したとの報も支援材料となった。前日公表の石油輸出国機構(OPEC)月報で、1月からの協調減産再開を前にOPECの産油量が減っていたこともあり、供給過剰懸念が和らぐとの観測が強まった。これらを受け買いが先行、53ドル台後半へと値位置を切り上げた。
原油情報 2019年1月18日
1/18号
17日の原油相場は反落。米国の石油製品在庫増を嫌気した売りが先行、終盤下げ幅を縮小したがマイナス圏で取引を終えた。
前日発表の週間石油統計で、ガソリンやディスティレートなどの米国の石油製品在庫が積み上がっていることが改めて嫌気され、時間外取引は軟調ムードのなか売りが先行した。また、シェールオイルの増産傾向により、米国の原油生産量が過去最高水準へと高まっていることもあり、石油輸出国機構(OPEC)ら主要産油国による協調減産の効果が薄れるとの見方も売りを誘った。米中通商協議の行方に対する不安感も上値を抑え、WTI期近2月限は一時50.98ドルまで軟化した。
しかし、OPECがこの日発表した月報のなかで、1月からの協調減産開始を前に12月のOPEC産油量が減少、なかでも盟主サウジアラビアが積極的に減産に動いたことが確認され、これを好感した買いに下値を支えられた。また、米株式市場が終盤にかけて急速に値を上げたことを受け、リスク選好度が強まったことも原油買いを促した。この株高の動きに歩調を合わせて下げ幅を縮小、一時は52.58ドルとプラスサイドに浮上する場面も見られた。戻り一巡から取引終盤はマイナス圏へと値を沈めて取引を終えたが、時間外取引は日本時間8時現在、52.2ドル付近で小確りとしている。
原油情報 2019年1月17日
1/17号
16日の原油相場は続伸。米国のガソリン在庫の大幅増が嫌気されて一時売りが先行したが、米株式市場の上昇に支えられて買い戻され、小幅ながら続伸して引けた。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は予想以上の減少となった。しかし、ガソリン在庫が予想を大幅に上回る増加、これで3週連続の大幅増となった。ガソリンは消費量が伸び悩んでおり、先々の原油に対する需要が減少することへの懸念が強まった。また、ディスティレート在庫も同様に増えており、原油需要が抑制されることで原油需給が緩むとの見方が売りにつながった。このほか、原油生産量が増加したことも相場の重石となったとみられる。
EIA統計を受け一時売りが先行、WTI期近2月限は51ドル台前半へと値を冷やしたが、株式相場の上昇を眺めてセンチメントは強気にシフトした。米主要企業の決算発表の出足は比較的好調で、NYダウは2営業日続伸となった。リスク選好の流れは原油相場にも波及した格好。また、前述のガソリン在庫の増加の背景に、メキシコの送油管停止が影響しているのではとの憶測も買いを誘った。ガソリンの盗難が多発していることを受け、メキシコ政府は複数のパイプラインを停止、諸州と首都でガソリン不足が生じている。なお、同国は米国のガソリン輸出の半数以上を占めている。これらを背景に下げ幅を縮小、プラスサイドに切り返して取引を終えている。
原油情報 2019年1月16日
1/16号
15日の原油相場は反発。中国の先行き景気に対する不安後退から買いが先行した。株式市場の上昇も支援材料。
中国国家発展改革委員会はこの日、景気刺激策を打ち出す可能性について示唆した。これを受け、同国経済の減速懸念が後退、エネルギー需要の回復への楽観が広がった。また、株式市場もこれを好感、世界的に株高ムードとなり、リスク回避姿勢が和らいだことも原油買いにつながった。
このほか、今月から主要産油国による協調減産が始まっているなか、米国のリグ稼働数が減少したとの報や、米エネルギー情報局(EIA)の短期エネルギー見通しで米産油量見通しが据え置かれたこと、今週の米国の原油在庫が減少するとの予想もあり、需給改善への期待感も下値を支えた。これらを背景に買いが先行し、52ドル台へ値を戻した。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週から56万バレル減少した。事前予想は130万バレル減。日本時間9時現在、時間外取引では特に目立った動きは見られていない。
(提供元:CREEX)