2019年7月23日~7月29日
原油情報 2019年7月29日
週末26日の原油相場は小幅続伸。第2四半期(4-6月期)の米GDPが市場予想ほど減速しなかったことを好感した買いが優勢となった。ただし、ドル高が重石となり、上げ幅は限られた。
イランを巡る地政学的リスクが下値を支えるなか、この日発表された米GDP速報値が市場予想ほど弱くはない内容が示されたことで、米景気の減速懸念が後退、原油需要が伸び悩むとの観測も和らいだ。また、同指標を受け、米株式市場が堅調に推移、投資家心理の改善も原油買いにつながった。S&P500やナスダック総合指数は引けベースで最高値を更新している。
一方、利下げ観測が強まるなか、GDPの内容を受けて外為市場ではドルが上昇した。これによりドル建てで取引される原油に割高感が意識され、上げ幅を抑える格好に。週末を控えていることもあり、戻り局面では利食い売りに押された。また、30-31日に開催される米中閣僚級貿易協議を控え、その結果を見極めたいとして積極的な商いが手控えられたことも、上値を抑制した。ほぼ前日の値動きの範囲内での動きとなり、方向感が乏しかった。
原油情報 2019年7月26日
25日の原油相場は反発。特段目新しい材料が見当たらないなか、前日の下落に対する調整から買いが優勢となった。
前日発表の週間石油統計で、米国の原油在庫は予想を大幅に上回る減少となった。これを受けて一時買いが先行するも、その後はガソリン在庫の増加などを受けた売りに押されて値を冷やした。この日はその反動もあり、改めて原油在庫の減少、そして在庫減の主たる要因である原油生産量の減少が買い材料視された。また、米中貿易協議再開の報も改めてプラス要因と捉えられた。このほか、欧州中央銀行(ECB)理事会では市場予想の利下げに対して金利据え置きが決まり、ユーロが対ドルで上昇したことも買いを促した。
ただし、欧米の製造業関連指標が軒並み弱く、景況感改善にはつながらず。株価下落も原油相場の上昇の重石となった。WTI期近9月限は一時56.99ドルまで上昇したが、57ドル目前で打たれたことで、テクニカル面からも売りが出たとみられる。序盤の上げ幅を削る展開となり、プラスサイドは維持したが前日と同値付近で取引を終えた。目新しい材料がないなか、終日調整の範囲内の値動きにとどまった印象。
原油情報 2019年7月25日
24日の原油相場は反落。米国の原油在庫の減少などを背景に買いが先行したが、利益確定の売りに押されて値を崩した。4営業日ぶりの反落。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は予想を大幅に上回る減少となった。これを受け、米国の原油需給の緩和感が後退するとの見方が広がった。また、イランを巡る地政学的リスクが根強くあるうえ、ドル安や株高に伴うリスク選好ムードもサポート要因に。序盤は買いが先行し、WTI期近9月限は一時57.64ドルまで上昇した。
しかし、買いが一巡すると、その後は上げ幅を縮小する動きに転じた。原油在庫は予想以上の大幅減とはなったものの、その要因は原油生産量の落ち込みにある。ハリケーン「バリー」襲来に備え、メキシコ湾内の生産活動が一時的に停止した影響。早晩生産量は回復するとの見方が広がった。ガソリン在庫が予想ほど減らなかったことも弱材料視された。また、一時買いが先行した株式市場も軟化し、その動きに歩調を合わせて売り物が続いた。直近、3営業日連続で上昇したことで、上昇一服から利益確定の売りが出やすかったことも相場を押し下げた。上げ幅縮小からマイナスサイドに転落して取引を終えている。
原油情報 2019年7月24日
23日の原油相場は続伸。イランを巡る中東不安や米国の原油在庫の減少予想、米中通商協議の進展期待などから買いが優勢となった。3営業日続伸。
序盤はリビアの油田の操業再開の報やドル高を受け売りに押される場面もあったが、午後に入り堅調に推移、上値を切り上げた。イランと米英との対立が深刻化することへの警戒が根強くあるなか、米政府は前日、イラン産原油を輸入したとして中国の石油商社を制裁対象に指定することを決めた。イラン関連の地政学的リスクの高まりが、底堅い買いを誘っている。また、米中貿易摩擦への懸念が後退したことも相場を支えた。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らは来週29日に通商協議のため北京を訪問するとの報が入った。交渉進展期待から投資家心理は改善方向へと進み、株価上昇に歩調を合わせる格好で原油も買われた。米国の原油在庫が減少するとの予想もサポート要因。最新の事前予想では400万バレルの減少が見込まれている。予想通りに減少すると6週連続の減少。需給改善への期待が相場を押し上げた格好。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比1100万バレルの大幅減となった。時間外取引(日本時間午前7時現在)では57ドル台で推移している。
原油情報 2019年7月23日
週明け22日の原油相場は続伸。中東情勢の緊迫化を背景に買いが優勢となった。この日納会を迎えたWTI期近8月限は9月限と同ザヤで引けた。
中東の地政学的リスの高まりを受けて堅調に推移した。欧州連合(EU)制裁に違反しシリアへ原油を輸送していた疑いがあるとして、今月4日に英領ジブラルタル沖でイランのタンカーが拿捕された。これに対してイラン側は、拿捕は米国の指示による行為だと非難、10日には英国のタンカーがホルムズ海峡でイラン船舶に進路を妨害されるなど両国間の緊張が高まっているなか、イラン革命防衛隊(IRGC)が19日に英国のタンカーを拿捕したことに対して、英政府がイランへの経済制裁を検討していると伝わった。また、イラン治安当局はこの日、自国を敵国に売ったとして米中央情報局(CIA)のスパイネットワークに関わっていた容疑者17人を逮捕した。米国を敵視する動きが強まっており、イランと米英との関係悪化、延いては原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖の可能性が懸念された。
ただし、リビア最大油田であるシャララ油田の生産再開の報や、この日は納会日で持ち高調整の動きもあったため、上げ幅は抑えられた格好。
(提供元:CREEX)