2019年9月3日~9月9日
原油情報 2019年9月9日
週末6日の原油相場は続伸。米国の利下げ期待やリグ稼働数の減少を背景に買いが優勢となった。3営業日続伸。
この日発表された8月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想を下回る伸びにとどまった。これを受けて景気拡大の維持に対して懐疑的な見方が広がり、エネルギー需要の伸びが減速するとの観測が強まったことで、一時売りが先行した。
ただし、売り一巡後は、雇用統計の内容が明るくなかったことに加え、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けて利下げ期待が強まり、リスク選好度が高まったことで買い優勢に転じた。同議長はスイスでの討論会で、追加利下げに前向きな姿勢を示唆した。外為市場ではドルが対主要通貨でやや売り優勢となり、株価は同発言を受けて買い優勢に、原油相場もこれらの動きに追随して買い気が高まった。
これら投機マネーの動きに支えられたほか、リグ稼働数が3週連続で減少、2017年11月以来の低水準となったことを受け、米原油需給の緩みが後退するとの見方からも買いが促された。WTI期近10月限は一時57ドルに迫る場面も見られた。
原油情報 2019年9月6日
5日の原油相場は小幅続伸。米国の原油在庫が予想以上に減少したことや米中通商協議の進展期待を背景に買いが先行、WTI期近10月限は一時57.76ドルまで上昇し、期近ベースとしては8月1日以来の高値を付けた。ただし、高値では利食い売りに押され、上げ幅を大きく縮小して引けている。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は事前予想を上回る取り崩しとなったことが明らかに。WTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫も引き続き減少、ガソリン在庫も予想以上の減少、ディスティレート在庫は予想外の減少と、概ね強気の内容が示された。これらを受け、米国内の原油需給の緩みが解消に向かうとの期待感から買いが先行した。
米中貿易協議への期待感も相場を押し上げた。両国は10月初旬に閣僚級の通商協議を再開させることで合意、進展の兆候が見られたことで貿易摩擦解消に向かうことへの期待感が高まった。これを受けて安全資産からリスク資産への資金シフトが強まり、リスク資産の一角とされる原油相場にも買いが集まった。
買い先行の流れから57.76ドルまで上昇したが、その後は買いに一服感が出た。連日の大幅上昇により、買い一巡後は利食い売りが優勢となり、序盤の上げ幅を削る動きへと転じた。プラス圏を維持したが、前日とほぼ同値付近で取引を終えている。
原油情報 2019年9月5日
4日の原油相場は反発。良好な中国経済指標を受けて買いが先行した。また、ドル安や株高、米国の原油在庫の減少予想も支援材料となり、WTI期近10月限は一時56ドル台半ばまで持ち直す場面も見られた。
この日発表された8月の中国PMIが前月から上昇し、3ヶ月ぶりの高水準となった。米中貿易摩擦の激化により、中国景気が減速していることが懸念されていたが、その警戒が和らいだ。エネルギー消費大国の需要抑制への過度な懸念が後退したことで、原油相場は買いが先行する展開となった。
香港や英国、イタリアなどの政治的な懸念が後退したことで、安全資産として買われていたドルや円が売られる展開となった。ドルは対ユーロで下落し、ドル建てで取引される原油に対する投資妙味が増したことも相場を押し上げた。中国経済指標の改善や香港の情勢改善などを受けて市場心理も改善、株式市場が反発したことも原油相場にとってプラス要因に。また、米国の原油在庫が減少するとの事前予想もサポート要因となり、この日の原油相場は堅調に推移した。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比40.1万バレル増と事前予想(250万バレル減)に反して増加した。これを受けて時間外取引ではやや値を下げている。
原油情報 2019年9月4日
3日の原油相場は続落。米中貿易摩擦の激化による景気減速への懸念が強まり、売りが先行する展開となった。
今月1日から米国は対中制裁関税「第4弾」を発動した。中国側も即時報復、収束の兆しが見えない状況にある。今回の中国の報復関税の対象品目には原油も含まれている。両国政府は今月上旬にも閣僚級貿易協議を再開する予定ではあるが、日程等の詳細は決まっておらず、不透明感が強い状況。エスカレートする貿易戦争により、世界的なリセッションへの警戒が強まった格好。
また、この日発表された8月の米ISM製造業景況指数が悪化したことも景気後退懸念に拍車をかけるものとなった。2016年8月以来で初めて、好不況の境目である節目の50を割り込んだ。追加関税、弱気な経済指標を受けてリスク回避の動きが強まり、安全資産への資金シフトが進んだ。株式市場は一時大きく売り込まれる場面も。この動きに原油相場も連れて売りが先行、連休明けとなるWTI期近10月限は52.84ドルまで売り込まれる場面も見られた。
原油情報 2019年9月3日
休場。
(提供元:CREEX)