原油情報

2019年7月30日~8月3日

原油情報 2019年8月3日

週末2日の原油相場は反発。前日の大幅安に対する反動から買い戻された。週末を控えていることもあり、持ち高調整絡みの動きが中心となった。上昇したものの、米中貿易摩擦の激化懸念が重石となり、上げ幅は抑えられた。

前日にトランプ米大統領が中国製品に対する追加関税第4弾を発動すると表明、これに対して中国政府はこの日、対抗措置を講じる構えを示した。貿易戦争が激化することへの懸念が強まった。これを受けて株式市場は暴落商状となり、原油相場のセンチメントも悪化した。

しかし、この日に発表された7月の米雇用統計が冴えない内容だったこともあり、貿易摩擦の高まりと合わせて、追加利下げ観測が広がり、ドルが対主要通貨で軟化した。これによりドル建てで取引される原油に対して割安感が台頭した。前日に大幅な下落となったこともあり、その反動からの自律反発を期待した買戻しも入ったことで、買いが優勢となった。週末を前にしたポジション整理に絡んだ買戻しも入ったとみられる。

ドル安や持ち高調整の動きから反発したものの、やはり米中貿易摩擦の悪化への警戒感は根強く、上値を買い進む動きは見られず。終盤にかけて株式市場が下げ幅を縮小したが、株安の連鎖も買い気を後退させ、戻り上値は限られた。

原油情報 2019年8月2日

1日の原油相場は大幅反落。米中貿易摩擦の激化による需要減退観測を背景に売りが先行した。投資家心理の冷え込みから売りが膨らみ、WTI期近9月限は一時53.59ドルまで下落。期近ベースとしては6月19日以来の安値を付けた。

米追加利下げ観測の後退によりリスク回避ムードが強まるなか、トランプ米大統領の対中関税第4弾の発動表明を受け、リスクオフの流れに拍車がかかった。同大統領はこの日、9月1日から3000億ドル相当の中国製品に対して10%の追加関税を課すことを表明した。一時停戦となっていた米中貿易戦争だが、7月末より閣僚級の協議が再開、そこでの進展が見られず、今回の対中関税発動表明に至っている。これによりエネルギー需要の減退観測が強まり、原油相場は売りが先行する展開となった。

株式市場の大幅下落も相場の重石となった。追加利下げへの期待感後退から大幅安となった前日に続き、この日は同大統領の表明を受けて連日の大幅安に。リスク回避の動きが加速、この影響はリスク資産の一角とされる原油相場にも及んだ。また、直近の戻りに対する反動からの手仕舞い売りも促され、売りが売りを呼ぶ展開から一時は前日比5ドルほどの下落となるなど、弱含みの展開となった。

原油情報 2019年8月1日

31日の原油相場は続伸。米国の原油在庫の減少を受けて買いが先行した。5営業日続伸。ただし、ドル高や株安が重石となり、終盤は上げ幅を大きく縮小した。その後の時間外取引では軟調に推移している。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は事前予想を大幅に上回る減少となった。予想以上の取り崩し、7週連続の減少を市場は好感、需給緩和感の後退を期待した買いが集まった。また、WTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が減少したことや、ガソリン在庫が予想以上の減少、ディーゼル油を含むディスティレート在庫の予想外の減少と、ブルな内容が示されたことも買い気を強めた。

しかし、終盤から時間外取引にかけては軟調ムードへと転じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)では25bpの利下げが決まったが、市場ではすでに織り込み済みであるうえ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受けて投資家心理が急速に冷え込んだ。同議長はFOMC後の会見で、今回の利下げは長期的な利下げ局面の始まりではないと強調、これにより利下げが一時的にとどまるとの悲観的な見方が広がった。これを受け、外為市場ではドルが買われ、株式市場は急速に値を冷やす展開に。リスク回避の流れは原油相場にも波及し、序盤の上げ幅を削る展開となった。

原油情報 2019年7月31日

30日の原油相場は続伸。米国の利下げ期待や米原油在庫の減少予想を背景に買いが優勢となった。4営業日続伸。

この日から2日間の日程で米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれている。米連邦準備理事会(FRB)は2008年の量的緩和第3弾(QE3)以来、10年半ぶりに利下げを決める可能性が高く、市場では金融緩和への期待感が高まっている。欧州中央銀行(ECB)も利下げの可能性があり、世界的な金融緩和により景気が持ち直すことで、原油需要の減退が避けられるとの見方が買いを誘った。また、FRBが金融緩和策に前向きな姿勢を示すことで、ドルが売られやすくなり、ドル建てで取引される原油に割安感が生まれるとの観測も買いにつながった。

31日発表の週間石油統計で、米国の原油在庫が減少するとの予想も下値を支えた。予想通りに減少すると7週連続の減少。在庫の取り崩しが進むことで、需給緩和感が後退するとの見方からも買いが出た。

ただし、この日から始まった米中通商協議には依然不透明感がある。警戒感から上値を積極的に買い上がる動きは限られた。まずは本日発表の米エネルギー情報局(EIA)統計、そしてFOMCの結果を待ちたい。

なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比600万バレル減と、事前予想(260万バレル減)を大幅に上回る減少となっている。

原油情報 2019年7月30日

週明け29日の原油相場は続伸。米連邦公開市場員会(FOMC)および米中通商協議の結果待ちで様子見気分が強いなか、持ち高調整絡みの動きから買いが優勢となった。3営業日続伸。

30-31日開催のFOMCを控え様子見ムードが広がっている。米連邦準備理事会(FRB)は、金融危機後初となる利下げを実施するとの見方が強い。市場予想では25bpの利下げ実施が支配的。利下げによるドル売り、株買いといったリスク選好ムードが期待されるが、結果を見極めたいとして積極的な商いは手控えられた。また、米国と中国は今週、通商協議を再開する。不透明感があり、FOMC同様に結果待ち。一旦持ち高を軽くする動きが中心となった。

様子見気分が強いなか、英政府が駆逐艦をイランに派遣したとの報を受け、イランを巡る情勢に対する緊迫感が増した。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を航行する自国籍のタンカーの護衛をするというもの。イランと英国とのタンカー拿捕の報復合戦に終わりは見えておらず、緊張感が一段と強まっている。前述の通り、FOMCおよび米中貿易協議待ちで商いは消極的だが、中東不安が心理的なサポートとなり、やや買い気が勝った格好。

(提供元:CREEX

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