2019年7月2日~7月8日
原油情報 2019年7月8日
週末5日の原油相場は小幅続伸。米雇用統計の内容が堅調だったことからエネルギー需要の増加期待から買いが優勢となった。しかし、外為市場でドルが上昇、また利下げ観測の後退から株価が下落したことが重石となり、上げ幅は小幅にとどまった。
この日発表された6月の米雇用統計のなかで、非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想を上回る大幅な増加となった。同指標を受け、景気の持ち直しへの期待が広がり、それに伴いエネルギー需要が増えるとの見方から買いが誘われた。
しかし、上値は限られた。雇用統計が堅調だったことで、外為市場ではドルが上昇した。一方でユーロ圏の経済指標は弱く、対ユーロで
ドルが上昇したことで、ドル建てで取引される原油相場に割高感が意識された。また、予想以上の好調な内容となったため、米国の利下げ観測が後退、これにより株式市場は軟調な展開に。リスクオンムードが後退し、リスク資産の一角とされる原油にも重石となった。
前日が独立記念日で休場だったこと、翌日には週末を控えているタイミングもあり、持ち高調整中心の動きで、目立った方向性は出なかった。
原油情報 2019年7月5日
4日の原油相場は独立記念日に伴い休場。
ブレントは反落した。米国市場が休場となるため、商いは薄く、持ち高調整絡みの動きとなった。イタリア情勢への懸念が和らいだことで欧州株式市場は上昇したが、原油相場はこの動きに特に反応しなかった。外為市場ではユーロ/ドルが上昇したが、米国が休みであることや週末に米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見気分が強く小幅な動きにとどまった。
中東情勢に対する不安や石油輸出国機構(OPEC)らによる協調減産継続と、供給不安要因はあるが、世界的な経済失速による原油需要の伸び悩みがここ最近の懸念材料となっており、これも相場の重石となったとみられる。前日に調整から戻したことで、その反動からも利食い売りが出た模様。
なお、独立記念日に伴いWTIの立会取引は休場となったが、電子取引では売り優勢だった。
原油情報 2019年7月4日
3日の原油相場は反発。株高に連れて買いが集まり、値を上げる展開となった。前日の下落に対する反動からの買戻しも入った。
トランプ米大統領は前日、米連邦準備理事会(FRB)理事にハト派寄りのセントルイス地区連銀のウォラー執行副総裁と欧州復興開発銀行(EBRD)米理事のシェルトン氏を指名する方針を示した。この人選を受けてハト派傾斜が強まるとの見方が広がった。また、この日に発表された米経済指標が弱めだったこともあり、金融緩和期待が高まった。独立記念日を控えるなか、株式市場はセンチメント改善から上昇、この動きに連れて原油相場も上昇した。前日に大幅な下落となった直後ということもあり、押し目買いや買戻しが入りやすかったとみられる。
ただし、戻り上値は重かった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は4週連続の減少となったが、市場予想ほど減らなかったため、これが相場の重石となった。前日引け後に米石油協会(API)が発表した統計では、予想以上の取り崩しとなっていたこともあり、その対比からも弱気が誘われた模様。低位だった輸入量が戻ると、在庫取り崩しペースが鈍るないしは在庫が増えるといった状況にあり、この週は輸入増、輸出減から在庫減少幅が縮小した格好。ガソリン在庫も予想ほど減らず、ディスティレート在庫は予想外の増加となったため、需給が緩むとの見方が上値を抑えた。
原油情報 2019年7月3日
2日の原油相場は反落。主要イベントを終え、利食い売りに押される展開となった。WTI期近8月限はこの日の高値から3ドル以上下落して引けている。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国はこの日、ロシアなど非加盟国との協調減産を9ヶ月間延長することで合意した。前日のOPEC総会での合意にロシアを含むOPECプラスが同調。しかし、市場はこれに対し強気に反応せず。市場に織り込み済みとして、買い安心感にはつながらなかった。前週末に米中貿易摩擦への警戒が和らぎ、前日のOPEC総会での合意もあり、WTI期近8月限は一時60ドルを突破したが、主要なイベントを通過したことにより買い気は後退、直近の上昇に対する反動から利食い売りが集まった。
下げに転じたことで、利食い売りを急ぐ動きに拍車がかかり、売りが売りを呼んで下げ幅を拡大した。市場のムードがベアに傾くと、減産継続も需要伸長への期待は薄いとの見方や、米中の通商協議再開を受けての歓迎ムードから米欧の貿易摩擦への警戒などが弱材料視された。6月後半の55ドル超えからの上昇幅を吐き出した格好だが、買い材料出尽くしからトレンドが反転したとの判断は早計だろう。利食い売り一巡後の市場のムードを確認したいところ。
原油情報 2019年7月2日
週明け1日の原油相場は反発。米中通商協議再開や石油輸出国機構(OPEC)の減産継続合意を受け買いが先行した。WTI期近8月限は一時60.28ドルまで上昇し、期近ベースとしては5月下旬以来の高値を付けた。
前週末の米中首脳会談で、両国は通商協議再開で合意した。経済失速に伴う原油需要抑制への懸念が後退した。先行き景気に対する見方が好転したことで市場心理は大幅に改善、安全資産とされる債券や金が売られる一方、リスク資産とされる株式市場が上昇、原油相場は株高に連れて上昇した。
景況感への楽観からの買いのほか、供給面からも押し上げられた。OPECはこの日、定例総会を開き、今年1月から6月末まで続けてきた減産を7月以降も継続することで合意した。来年3月末まで続ける。減産幅についても従来の割当量を維持する。本日開催予定のロシアを含む会合では、ロシアもこの動きに同調する見通し。
これらを受け買い先行となり、直近の抵抗となっていた60ドルをブレイク、短期的に上げ足を強め60.28ドルまで上昇した。ただし、高値警戒もあり、終盤は利食い売りに押されて同水準を割り込んでいる。
(提供元:CREEX)