2019年7月17日~7月22日
原油情報 2019年7月22日
週末19日の原油相場は反発。中東の地政学的リスクを手掛かりに買いが優勢となった。週末を控え、直近の下落に対する反動からも買い戻された。5営業日ぶりの上昇。
米国とイランとの距離が幾分近づくことが期待されていたが、再び軍事的緊張が高まった。イラン国営テレビはこの日、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡で英国の石油タンカーを拿捕したと報じた。これを受けて米国は英国と連携する姿勢を表明。また、前日18日には、イランの無人偵察機が米軍艦に接近、米軍は警告するも無視したため撃墜したほか、外国籍のタンカーが何隻か拿捕される事件が起きており、石油輸送の要衝であるホルムズ海峡での緊張が高まっている。これらを背景に、米国らとイランとの関係が一段と悪化するとの思惑から原油は買われた。
また、直近に大きく値を崩していたこともあり、週末を控えていることから持ち高調整の動きも相場を支えた。一旦買い戻す動きが強まった格好。一時56ドル台まで値を戻す場面も見られたが、外為市場でドルが上昇、株式市場が軟化したこともあり、戻り一巡後はやや値を削って取引を終えている。
原油情報 2019年7月19日
18日の原油相場は続落。米中貿易交渉への不透明感から売りが続き、4営業日続落となった。WTI期近8月限は一時54.72ドルまで下落し、6月20日以来の安値を付けた。
前日の下落に対する反動から時間外取引は小戻していたが、通常取引開始後は再び需給緩和への懸念が強まり、売りに押される展開に。16日にトランプ米大統領が貿易交渉には時間を要すると発言したことを受け、米中摩擦が長期化することが懸念されている。この摩擦による米企業の業績悪化への懸念も強く、株式市場が売り先行で始まったことで、リスク回避の動きが原油相場にも波及した。米中貿易摩擦によるエネルギー需要の鈍化が懸念されたほか、前日発表の週間石油統計で原油在庫は減少したが、ガソリンを中心に燃料油の在庫が予想以上に増えたことで、足元のエネルギー需要が弱いと見る向きが売りに動いた。売りが売りを呼ぶ展開となり、一時前日引けから2ドル超も安い54.72ドルまで軟化した。
節目の55ドルを割り込んだことで投げが膨らむ可能性が警戒されたが、その後は株価の戻りに連れて買戻しや押し目買いが入り、下げ幅を縮小して引けている。
原油情報 2019年7月18日
17日の原油相場は続落。米国の石油製品在庫の増加を嫌気した売りに押される展開となった。3営業日続落。
前日に米国とイランとの軍事的緊張の緩和への期待から値を下げた反動から、通常取引はショートカバーに支えられて小確りとした地合いのなか始まった。しかし、米エネルギー情報局(EIA)の週間石油統計が発表されると、再び軟調地合いへと回帰し、値を冷やす展開に。EIA統計で、原油在庫は予想以上の取り崩しとなり、これで5週連続の減少と、比較的強めの内容が示された。一方で、石油製品在庫はベアな内容。ガソリンは需要減が影響して在庫は予想に反しての増加に。ディスティレート在庫も予想を大幅に上回る増加となり、なかでもディーゼル燃料の在庫が大幅に増えた。ドライブシーズンに伴う燃料油需要の増加が期待される時期にあるにもかかわらず、これら石油製品在庫が予想対比で大きく積み上がる格好となったことを市場は嫌気した。
下げに転じると、前日の下げで売り遅れた筋の売りも加わり下げ足を加速、株安の影響もあって売りが膨らみ、WTI期近8月限は一時56.21ドルまで下落する場面も。期近ベースとしては7月3日以来の安値を付けた。
原油情報 2019年7月17日
16日の原油相場は続落。中東の地政学的リスクの後退やドル高、株安を受けて売りが先行した。
イランのロウハニ大統領は14日、米国が制裁を解除して核合意に復帰するのであれば協議の用意があることを表明。これに対してトランプ米大統領は16日、イランとの間で進展があったと発言した。詳細については明らかにされていないが、ポンペオ米国務長官によると、核ミサイル計画についてイランは交渉の準備ありだという。これらの発言を受け、中東を巡る緊張の緩和への思惑が広がった。
ドル高や株安に連れての売りも相場を押し下げた。6月の米小売売上高が市場予想を上回ったことで、月内の利下げ予想が大きく後退した。独経済指標の悪化もあり、ドルは対ユーロで上昇し、ドル建てで取引される原油に対する投資妙味が低下した。また、利下げ予想の後退のほか、トランプ米大統領が米中交渉合意には時間を要すると発言したこともあり、株式市場は売りが優勢となった。投資家心理が冷え込んだ流れはリスク資産の一角とされる原油相場にも波及した。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比140万バレル減と減少した。ただし、事前予想(270万バレル減)ほどは減少せず。
(提供元:CREEX)