原油情報

2019年4月9日~4月15日

原油情報 2019年4月15日

週末12日の原油相場は反発。世界的な景気後退への懸念が和らいだことやリビアの供給減少懸念、ドル安を背景に買いが優勢となった。ただし、週末を控え、持ち高調整絡みの売りに上値を抑えられた。

中国の3月の貿易統計が市場予想よりも良好な内容だったことや、ここ最近の堅調な米経済指標を受け、世界的なリセッションへの警戒感が後退した。景気回復に伴いエネルギー需要が伸長するとの期待が相場を支えた。また、欧米の株式市場が堅調となり、投資家心理の改善も原油買いにつながった。

リビアからの供給減少懸念も支援材料。内戦の本格化が警戒されるなか、リビア国営石油(NOC)は内戦再発により原油生産が全面停止になる可能性があるという。石油輸出国機構(OPEC)主導で協調減産が進み、かつベネズエラも減産を強いられており、産油国からの供給量の一段の減少が懸念された。このほか外為市場でドルが対ユーロで下落したため、ドル建てで取引される原油に対する投資妙味が増したことも買いを誘った。

ただし、上値は限られた。直近高値に迫ると、週末を控えていることもあり、一旦利益を確定する動きが強まった。米国のリグ稼働数が増えたことも上値抑制要因に。WTI期近5月限は一時64.65ドルまで上昇したが、序盤の上げ幅を削って取引を終えた。5ヶ月ぶりの高値を付けたこともあって、利食い売りが出やすい地合いにある。

原油情報 2019年4月12日

11日の原油相場は反落。石油輸出国機構(OPEC)が増産に転じる可能性があるとの報を受け、売りが先行する展開となった。約5ヶ月ぶりの高値を付けたこともあり、利益確定の動きが強まった。

ロイターが伝えたところによると、イランやベネズエラの供給減少がさらに強まり、原油価格が一段の上昇となるようであれば、OPECは協調減産の期限である6月末を境に増産に転じる可能性があるという。同報を受け、減産に伴う需給引き締まりへの見方が後退、手仕舞い売りが促された。また、国際エネルギー機関(IEA)発表の月報のなかで、今年の世界石油需要見通しが従来見通し据え置きとなったことも売りを意識させる格好となった。このほかドルが対ユーロで上昇したことで、ドル建てで取引される原油に割高感が意識されたことも売りにつながった。前日発表された米卸売物価指数が上昇、新規失業保険申請件数も49年半ぶりの低水準となったことを受け、景気減速への懸念が和らいでドルが買われた。一方、ユーロ圏経済の減速、リスクに直面しているというドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言が引き続きユーロの上値を抑えた。

これら弱気な見方が相場の重石になるとともに、直近に約5ヶ月ぶりの高値を付けた反動も重なり、買い方が一旦利益を確定する動きが強まり下げ足を速めた。期近中心に値を下げる展開となった。

原油情報 2019年4月11日

10日の原油相場は反発。石油輸出国機構(OPEC)の産油量の減少や米国のガソリン在庫の大幅減少を受けて買いが優勢となった。

OPECがこの日発表した月報のなかで、3月OPECの産油量が前月から減少したことが明らかとなった。サウジアラビアが積極的に減産を進めるなか、米国の制裁を受けているベネズエラの産油量が一段と落ち込んだ。政情不安に加え、大停電の影響が反映されているとみられる。また、足元ではリビアの内戦もあり、先行きに関してもイラン産原油の禁輸措置の適用除外の期限が切れることもあり、供給が引き締まるとの観測が広がった。

通常取引開始後、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫が事前予想を大幅に上回る増加となったことが明らかになり、一時売り込まれる場面も見られた。前週に続く大幅増加で、この日の安値水準まで値を崩した。しかし、同時に発表されたガソリン在庫の大幅減少を受けRBOB相場が上昇、今後のガソリンシーズンに向けてリファイナリーの稼働が上がるとの見方もあり、原油相場も連れて値を戻す展開となった。WTI期近5月限は64ドルを割り込むには至らず切り返したことで、再び買い方の勢いに拍車がかかった。64ドル台後半へと持ち直し、この日の高値付近で取引を終えた。

原油情報 2019年4月10日

9日の原油相場は反落。約5ヶ月ぶりの高値を付けた反動から、利食い売りに押された。ロシアが減産延長について否定的な見解を示したことも重石。米国の原油在庫が増加するとの予想や株安も圧迫要因。

リビアの内戦、イランやベネズエラからの供給減が懸念されるなか、ロシアのノバク・エネルギー相はこの日、6月の石油輸出国機構(OPEC)との会合において、在庫減少による市場均衡を背景に増産を望むとの見解を示した。プーチン大統領も、原油価格の上昇に対して、現行水準で満足していると述べており、同国は減産延長に否定的な見方を示している。これを受け、需給が緩むとの観測が広がり、売りを促した。

また、米エネルギー情報局(EIA)が発表した短期エネルギー見通しのなかで、米国の原油生産量見通しが小幅ながら下方修正されたこと、今週の在庫統計で原油在庫の増加が見込まれていることなどから、米国の需給においても緩むとの見方が強まった。株価下落も相場の抑制要因。トランプ米大統領が欧州連合(EU)製品に関税を課すことを表明、国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しの下方修正などを受け、景況感の悪化への懸念が強まったことで株価が下落、リスク回避の流れが原油相場にも波及した。

これら弱材料が散見されたことに加え、朝方にWTI期近5月限は一時64.79ドルまで上昇し、5ヶ月ぶりの高値を更新したこともあって、一旦利益を確定する動きが強まった。手仕舞い売り先行からこの日の安値63.68ドルまで軟化する場面も見られた。ただし、引き続き地政学的リスクなどから底堅さを維持、64ドル付近まで持ち直して引けた。なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比410万バレル増と増加、事前予想(230万バレル増)を上回った。

原油情報 2019年4月9日

週明け8日の原油相場は続伸。地政学的リスクの高まりを受けて買いが先行した。WTI期近5月限は一時64.48ドルまで上昇し、期近ベースとしては5ヶ月ぶりの高値を付ける場面も見られた。

リビアの軍事衝突による供給減少が懸念された。民兵組織「リビア国民軍(LNA)」が国連の支持を受ける統一政府が支配する首都トリポリに迫っている。前日7日、LNAはトリポリへの空爆を実施、統一政府側も反攻を宣言しており、衝突は拡大している。国連などが停戦を呼びかけるも激しい戦闘が繰り広げられているという。内戦の本格化、そして拡大への懸念が広がり、同国からの原油供給が停滞するとの見方が強まった。北アフリカ・中東の地政学的リスクが強まったほか、引き続きイランやベネズエラからの供給減少も懸念されており、市場のムードは強気へと傾倒している。

また、調査会社ジェンスケープ発表の統計で、WTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が減少したとの報も支援材料。前週末にリグ稼働数の増加が示されたが、足元の在庫減により供給過剰への懸念が和らぐとの見方が広がった。これらを手掛かりに買いが先行、前週末高値63.34ドルを上抜くと踏み(売り方の損失確定の買戻し)を巻き込み上げ幅を拡大、64ドルの節目のストップオーダーもこなしながら64ドル半ばまで値位置を切り上げ、ほぼ高値付近で取引を終えた。次の大きな節目である65ドルが足元の上値目処となっている。

(提供元:CREEX

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