原油情報

2019年3月26日~4月1日

原油情報 2019年4月1日

週末29日の原油相場は反発。需給均衡への期待が高まり、買いが先行した。米株式市場が上昇したことも追い風となり、WTI期近5月限は一時60.73ドルまで上昇、期近ベースとしては約4ヶ月ぶりの高値を示現した。

世界的な需給緩和感が後退し、バランスへと向かうとの見方が広がった。米国の制裁措置に伴いイラン産原油の供給減少が懸念されるなか、一部の報道で米政府が禁輸措置の制裁を強化する可能性があると伝わった。同報を受け、イランからの供給量が一段と絞られるとの観測が広がった。石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産、ベネズエラからの供給減少もあり、世界的に供給が引き締まる可能性がある。また、米国の原油生産量はこれまで増産傾向が顕著に見られていたが、この動きが鈍化する可能性も浮上した。米エネルギー情報局(EIA)がこの日に発表した統計で、1月の同国の産油量は前月から減少したことが明らかになった。加えて午後に入り米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが公表した統計で、リグ稼働数が1年ぶりの低い水準となったことも、米国産原油の供給減少への懸念を強めた。

これら需給面での強材料を背景に買いが先行、さらに米中通商協議に進展が見られたとの報から株式市場が上昇、投資家心理が改善したことも原油買いを促した。引けにかけて上げ幅を縮小したが、節目の60ドルを上抜いた状態で取引を終えている。

原油情報 2019年3月29日

28日の原油相場は小幅続落。トランプ米大統領の原油高に対する牽制発言を受け売りが優勢となった。ドル高も重石。ただし、世界的な供給タイト感に下値を支えられた。

トランプ米大統領はこの日ツイッターに、「石油輸出国機構(OPEC)が増産することは極めて重要。世界市場は脆弱であり、原油価格は高過ぎる。」と投稿した。ツイート文の最後には「Thank you!」とあり、原油高を牽制するとともにOPECに増産を呼び掛けている。このツイートを受け市場は減産緩和への期待が広がり弱気に反応、売りが先行する展開となった。また、ドルが対主要通貨で上昇したため、ドル建てで取引される原油に対する投資妙味が低下したことも圧迫要因となり、WTI期近5月限は一時58.20ドルまで値を崩す場面も見られた。

しかし、売り一巡後は底堅い動きに転じている。OPECらの協調減産が履行されるなか、米国の制裁措置に伴いイランおよびベネズエラからの輸出が制限されているため、原油供給のさらなる減少が懸念され、需給均衡への根強い期待感が下値を支えた。また、米株式市場が反発したことも心理的な支援材料となり、取引序盤以降は下げ幅を縮小する動きとなった。なお、通常取引終了後も戻り歩調を継続、日本時間午前9時現在で59ドル半ば付近まで値を戻している。

原油情報 3月28日

27日の原油相場は反落。米国の原油在庫が予想に反して増加したことを受け、需給の緩みを警戒した売りが優勢となった。

時間外取引でWTI期近5月限は一時60.22ドルまで上昇、前日高値を窺う展開となっていた。しかし、通常取引開始後に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫が減少予想に反して増加したため、需給引き締まり観測が後退し売り物が集まった。輸入水準は低位を維持したが、輸出量、リファイナリーへの投入量の減少が影響し、在庫は予想外の増加となった。また、米長期金利が再び低下したことで世界的な景気減速への懸念が再燃、原油需要の減退観測のほか不安感から投資家心理が冷え込んだことも相場を押し下げた。このほか、ドルが対ユーロで上昇、株式市場が下落したことも圧迫要因。

ただし、売り込まれるには至らなかった。需要期入りを控えているガソリンの在庫が減少したことや、大停電に見舞われているベネズエラからの供給減少見通しなどが下値を支えた。この日の安値59.04ドルから1ドル近く値を戻して引けている。

原油情報 2019年3月27日

26日の原油相場は反発。世界的な景気減速への過度の懸念が和らぎ、買いが優勢となった。また、需給引き締まりへの警戒もあり、WTI期近5月限は一時60ドル台を回復する場面も見られた。

この日発表された2月の米住宅着工件数、3月の消費者信頼感指数は軟調な内容となったが、市場の反応は限られた。逆イールド状態にあるが、長期金利の低下が一服しており、景気先行きの過度の懸念は幾分和らいだ。投資家心理の冷え込みも落ち着きを見せ、株式市場が反発したことで、リスク資産の一角とされる原油も持ち直す動きとなった。

需給引き締まり観測も下値を支えた。石油輸出国機構(OPEC)主導での協調減産が続くなか、米国の経済制裁によりイランやベネズエラからの供給が減少している。特にベネズエラでは、2度目の大停電に見舞われており、さらなる輸出減少に拍車がかかるとみられる。また、米国の原油在庫が減少するとの事前予想もあり、これらを背景に需給タイトへの警戒から買いが集まった。直近の押しに対する反動もあり、一時買い気が高まった場面では60.38ドルまで上昇した。

なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比190万バレル増と増加した。事前予想は120万バレル減。予想外の増加となったが、ガソリン在庫が同350万バレル減と予想(280万バレル減)を上回る減少となったため、市場の反応は限られている。

原油情報 2019年3月26日

週明け25日の原油相場は続落。世界的な景気減速への懸念から売りが優勢となった。3営業日続落。

前週末、欧米の製造業関連指標の悪化が示されたことで、世界的な景気減速懸念が高まった。エネルギー需要の減退により需給改善が遅れるとの見方が広がり、原油相場は売りが先行した。先行き不透明感から投資家心理が悪化し、株価下落に連れてリスク資産の一角とされる原油も下げ圧力が強まった格好。また、米債券市場では3ヶ月物利回りが10年物を上回って利回り曲線(イールドカーブ)が約12年ぶりに逆転、逆イールドは一般的に景気後退のシグナルとされており、リスク回避の動きに拍車をかけている。週明けも先行き不安から軟調地合いを引き継いだ。株式市場が世界的に売られ、この動きに原油相場も追随、WTI期近5月限は一時58.17ドルまで軟化する場面も見られた。

ただし、供給面においてのサポート要因があるため、下値を売り込まれるに至らなかった。石油輸出国機構(OPEC)らによる協調減産、米国による制裁に伴いイランやベネズエラの供給量が減少していること、米国のリグ稼働数が減少傾向にあることなどに支援されている。

(提供元:CREEX

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