2018年12月18日~12月25日
原油情報 2018年12月25日
12/25号
週末21日の原油相場は続落。世界的な景況感悪化に伴う原油需要の減退観測から売りが先行した。WTI期近2月限は一時45.13ドルまで下落、期近ベースとしては約1年5ヶ月ぶりの安値を付けた。
株価下落に連れてリスク回避が強まった。米株式市場は最近の下落を受けて値ごろ感から序盤は買いが先行したが、米国を含め世界的に景気の先行きに不透明感が強いことや米政府機関の閉鎖懸念から下げに転じると、その後は上げ幅縮小からマイナスサイドに値を沈めた。NYダウの週間下げ率は2008年10月以来の大きさに達した。米株式市場を中心に世界的な株安の連鎖が続いており、投資回避の動きは原油相場にも波及、手仕舞い売りが促された。株安を受け経済成長が失速しているとの見方が広がり、原油需要が伸び悩むとの懸念も売りを誘った。また、週末、クリスマス休暇を控えていることもあり、持ち高を軽くする動きが強まったことも売りにつながった。
原油情報 2018年12月21日
12/21号
20日の原油相場は反落。世界景気の先行き不安が強まり、原油需要の減退を警戒した売りに押される展開となった。この日から当限に回ったWTI期近2月限は一時45.67ドルまで下落し、期近ベースとしては昨年8月以来の安値を付けた。
需給面での目新しい材料は見当たらなかったが、投資家のリスク回避姿勢が強まったことで、リスク資産の一角とされる原油も売りが先行した。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年4回目の利上げが発表され、バランスシート縮小継続方針が示された。また、トランプ米大統領が上院可決の暫定予算案に署名しない意向と伝わり、一部の政府機関が閉鎖されることへの懸念が広がった。金融政策の先行きに対する不安、世界的な経済失速への懸念から投資家の株離れが続き、NYダウは年初来安値を更新している。株安を受け、投資家の不安は一段と強まり、リスク回避の流れは原油相場にも波及した。
1月限が納会落ちし、当限に回った2月限は、期近安期先高(コンタンゴ)を背景にサヤ滑り(手前の限月にサヤ寄せして値を下げる傾向)となり、前日からは大きく値を下げる格好となった。市場のセンチメントが弱気に傾いているため、クリスマス休暇を前にした玉整理に伴う売りも下押し圧力を強めた。
原油情報 2018年12月20日
12/20号
19日の原油相場は反発。予想ほどではないものの米国の原油在庫が減少したことが好感された。対ユーロでドルが下落したことや、前日に約1年4ヶ月ぶりの安値を付けた反動からも買いが入った。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は3週連続の減少となったことが明らかに。事前予想ほどは減少しなかったが、ここ最近積み増し傾向が続いていただけに、減少したことは好材料視された。また、ディスティレート在庫が増加予想に反して大幅な減少となったこともプラス要因。これらを手掛かりに、石油製品相場とともに買いが先行する展開となった。また、序盤にドルが対主要通貨で売られていたため、ドル建てで取引される原油に対して投資妙味が増したことも支援材料となった。加えて前日に約1年4ヶ月ぶりの安値へと値を沈めたこともあり、その反動から短期戻り期待の買戻しも入った。これらを手掛かりにWTI期近1月限は一時48ドルちょうどまで上昇、前日安値45.79ドルからは2ドル超の上昇となった。
ただし、終盤はやや上値が重くなった。米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年4回目の利上げを決定した。来年の利上げ見通しは2回と前回見通しの3回から引き下げられたが、市場が見込んでいたほどハト派的なものではなかったため、ドルは買い戻される展開に転じた。ドル高とともに、足元の米国、ロシア、サウジアラビアの高水準な生産が改めて嫌気され上値を抑えられた。
原油情報 2018年12月19日
12/19号
18日の原油相場は大幅続落。需給緩和感が強まるとの見方が広がり売りが先行した。WTI期近1月限は一時45.79ドルまで下落し、期近ベースとしては2017年8月下旬以来の安値を付けた。
来年1月から石油輸出国機構(OPEC)加盟国およびロシアを含む非加盟国が協調減産に踏み切るが、12月のロシアの産油量が過去最高になる見通しとの報が入った。サウジアラビアも増産傾向にあるため、協調減産の効果に対して懐疑的な見方が広がった。また、米国のシェール生産量が増えるとの見通しも圧迫要因に。米エネルギー情報局(EIA)が発表した掘削生産性に関する報告のなかで、シェール主要地区7地区の12月の生産量が日量803万バレルと過去最高となる見通し。OPECらの減産、カナダの前例のない生産削減命令など供給が減る要素はあるものの、足元の供給水準が高く在庫も高い、さらに米国を中心に先行きの供給増加観測もあるため、需給が均衡に向かうには時間がかかるとの見方が強まった。
需給緩和状態が続くとの見方を背景に売りが先行、また節目の50ドルを割り込んだことで投げ(損失確定の手仕舞い売り)も膨らんだ。需給面、テクニカル面からの売りに加え、納会前という事情も重なり玉整理が進み、節目毎にロスカットの売りを巻き込んで下げ足を加速、45ドル水準まで急速に値を冷やした。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比350万バレル増と、事前予想(240万バレル減)に反して増加した。
原油情報 2018年12月18日
12/18号
週明け17日の原油相場は続落。世界的な経済失速への警戒から原油需要が抑制されるとの見方が広がり、売りが先行する展開となった。米株式市場の下落を受け、リスク選好度が低下したことも圧迫要因となった。
需給面に関しての新たな材料は見当たらなかったが、弱気な経済指標を受けて軟調ムードとなった。前週、中国や欧州の景況感悪化が示されたが、この日は米国の景気減速が懸念される経済指標の発表があった。12月のNY連銀製造業景況指数は市場予想を下回る1年7ヶ月ぶりの低水準へと落ち込み、米国の経済成長が緩和しつつある兆候が示された。原油需要の多い国や地域の景気減速が示されたことで、需要が抑制されることを市場は懸念し売りが先行した。
また、午後に入り、米株式市場が下げ幅拡大したことも原油売りに拍車を掛けた。18日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持ち高調整が進んでいたが、世界景気の先行き不安から手仕舞い売りが膨らみ、NYダウは取引終盤に下げ足を速めた。この動きを眺め、原油相場もリスク回避姿勢が強まった格好。WTI期近1月限は一時49.01ドルまで下落、期近ベースとしては約1年半ぶりの安値を付けた。
(提供元:CREEX)