2018年11月27日~12月03日
原油情報 2018年12月03日
12/03号
週末30日の原油相場は反落。石油輸出国機構(OPEC)総会を控えていることから持ち高調整中心の動きとなった。前日の戻りを受け、手仕舞い売りが優勢に。外為市場でドルが対ユーロで上昇したことも重石となった。
世界的に供給過剰感が強いため、OPEC経済委員会は市場均衡のため、10月からの原油生産量を日量130万バレル減産するよう加盟閣僚に勧告したと伝わった。この報を受けて一時買いが先行する場面も見られた。しかし、助言であるため強制力がないため、今週6日の総会を見極めたいとする向きが強く、買いに勢いはなかった。サウジアラビアは減産に積極姿勢を示しているが、ロシア動向に不透明感があるため、市場参加者も慎重姿勢を崩していない。前日にロシア関連の報で戻したこともあり、その反動から手仕舞い売り優勢へと転じた。週末を控えていることも整理売りを促したとみられる。
また、外為市場でドルが対ユーロで買われたことも圧迫要因となった。週末のG20中に開かれる米中首脳会談を控えていることから、積極的なリスク選好は手控えられた格好。これによりドル建てで取引される原油に対して割高感が意識され、売りにつながった。
原油情報 2018年11月30日
11/30号
29日の原油相場は反発。ロシアが石油輸出国機構(OPEC)との協調減産の必要性を認めたとの報を受け、需給緩和感が後退するとの見方から買いが優勢となった。
前日、米国の原油在庫が市場予想を大幅に上回る積み増しとなったことを受け、需給の緩みが長期化するとの観測のもと、時間外取引では売りが先行していた。WTI期近1月限は心理的節目の50ドルを割り込み、一時49.41ドルと期近ベースとしては昨年10月上旬以来の安値を付ける場面も見られた。需給の弱さにテクニカル的な弱さも加わり、投げ先行から下げ幅をさらに拡大することが見込まれたが、ロシアの動きにより市場のムードは一転した。
次週6日のOPEC総会では減産について協議され、日量140万バレルほどの協調減産で合意するというのが市場のコンセンサスとなっていた。しかし、非加盟国盟主ロシアは新たな減産について約束していないため不透明感が残っていた。また、サウジアラビアも単独での減産は実施しない方針を示していたことから、需給はさらに緩むのでとの見方を背景に売り圧力が増していた。ただ、前日にロシアのプーチン大統領が、必要に応じてOPECと共同の取り組みを続ける必要があるとの見解を示したとロイター通信が伝えたことで、協調減産が決定する可能性が高まり、需給緩和感の後退への期待が買戻しを誘った。不安要因の後退から買戻しが集まってプラス圏へと切り返すと、大幅下落の反動や値ごろ買いも加わり、急速に値を戻して取引を終えた。なお、週末のG20において、同大統領とサウジアラビアのムハンマド皇太子が協調を話し合うとみられる。
原油情報 2018年11月29日
11/29号
28日の原油相場は続落。米国の原油在庫の増加を嫌気した売りに押された。WTI期近1月限は一時50.06ドルまで下落し、期近ベースとしては昨年10月10日以来の安値を付ける場面も見られた。
次週6日に開催される石油輸出国機構(OPEC)総会を控え、市場は神経質な動きとなっている。これまで日量140万バレルほどの協調減産で合意するというのが市場のコンセンサスだが、足元の供給過剰感を勘案すると、減産を履行しても需給がバランスするかには不透明感が残るところ。また、G20に合わせて米中首脳会談が開催されるが、その結果次第では景気減速が招かれ、それとともに原油需要が抑制されるとの見方もあるため、なかなか下げ止まらない状況にある。そこへ米原油在庫の積み増しが明らかとなり、売り圧力が強まった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は事前予想を上回る増加となった。これで10週連続の積み増し。製油所の稼働が上がるなかで在庫が増えており、過剰供給にあることが確認された。また、ガソリン在庫は減ったものの、暖房油を含むディスティレート在庫が予想外の大幅増となったこともあり、需給悪化への懸念が強まった。売り優勢から値位置を下げ、週初に付けた安値50.10ドルを幾分下回った。
心理的な節目である50ドルをかなり意識した動きとなっている。同水準を割り込むと、短期的に投げ先行から下げ幅拡大となるだろう。一方、同水準で踏みとどまると、OPEC総会での減産を期待した買いに支えられる可能性が高く、目先の方向性を決める分水嶺に位置している。
原油情報 2018年11月28日
11/28号
27日の原油相場は方向感を欠いた動き。前週末に安値を付けた後、週明けから戻り期待の買いが優勢となっていたが、先行き不透明感から上値を抑えられた。ドル高も重石となり、小幅に値を下げた。
約1年1ヶ月ぶりの安値を付けた後の反動や、心理的な節目である50ドルを割り込まなかったことで、短期的な戻りを期待した買いがこの日も続き、買いが先行する展開となった。WTI期近1月限は一時52ドル台を回復する場面も見られた。しかし、上値を買い進む動きは見られず、買い一巡後は上げ幅を縮小する動きに転じた。
上値を抑えた要因はいくつかある。今週末には米中首脳会談、次週6日には石油輸出国機構(OPEC)総会を控えていることあり、様子見気分が強まったことで上げ足が鈍った。トランプ米大統領が交渉の結果次第では中国品すべてに関税を課す方針を示しており、貿易戦争激化を懸念したリスク回避の動きも圧迫要因に。また、翌営業日には原油在庫の増加が続いている米国の週間石油統計の発表を控えていることもあり、統計内容を見極めたいとして足元の戻りから調整売りが入った。このほかドル高も重なり、序盤の上げ幅を削る展開となり、マイナスサイドに値を崩して取引を終えた。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比350万バレル増と、事前予想80万バレル増を上回る増加となった。ただし、米株式市場が時間外で上昇していることから、その動きに連れて原油も買いが優勢となり、52ドル付近で推移している。
原油情報 2018年11月27日
11/27号
週明け26日の原油相場は反発。時間外取引でWTI期近1月限は一時50.10ドルまで下落する場面もあったが、短期下落に対する反動から戻り期待の買いに支えられて反発した。
特段目新しい材料は見当たらず、調整高となった模様。前週末にサウジアラビアの増産の報などを受け、供給過剰観測を背景に大幅に値を崩し、25日の時間外取引も軟調となっていた。しかし、週明けは買戻しムードが強まった。大幅安となった反動から買い戻されるとともに、心理的な節目である50ドルを割り込むに至らなかったこともあり、値ごろ感からも押し目買いや買戻しが集まった。前週末は短縮取引で薄商いのなか大幅な下落となったこともあって、過剰に売られたとの見方も巻き戻しの動きにつながったとみられる。
また、株式市場が反発したことも支援材料。ブラックフライデーの小売急増もあるが、サイバーマンデー(感謝祭後の月曜日)からの年末商戦に向けての小売業界への期待感のもと株価は持ち直した。英EU離脱案の正式承認、イタリアの財政懸念後退などもリスク選好度を増す要因に。リスク選好度の回復の影響はリスク資産の一角とされる原油にも及び、買いを誘う格好となった。これらを背景に買いが先行したが、来月の石油輸出国機構(OPEC)総会で減産合意が市場のコンセンサスとなっており、またドル高もあって上値を積極的に買い進む動きは見られなかった。
(提供元:CREEX)