2018年11月20日~11月26日
原油情報 2018年11月26日
11/26号
22日の原油相場は感謝祭に伴い休場。週末23日の原油相場は大幅安。短縮取引で商いが薄いなか、需給が緩むとの見方から売り物が続いた。週末を控えていることから手仕舞い売りを急ぐ向きが多く、売りが売りを呼んで下げ幅を拡大した。WTI期近1月限は一時50.15ドルまで下落し、期近ベースとしては昨年10月9日以来、約1年1ヶ月ぶりの安値を付けた。 来月6日の石油輸出国機構(OPEC)総会で協調減産が検討されている。これが相場の下支えとなっていたが、サウジアラビアのファリハ・エネルギー鉱物資源相はこの日、11月の産油量が10月を上回るとの見方を示したため、減産および減産した場合の効果に対して懐疑的な見方が広がった。また、感謝祭前には米国の原油在庫が増加していたこともあり、需給緩和観測が強まった。しばらく供給過剰の状態が続くとの見方から売りが先行、値を崩す展開となった。 ドル高や株安によるリスク選好度の低下も売りに拍車を掛けた。エネルギー高を嫌気してリスクオフムードが強まり株価は下落、ユーロ圏の経済指標の悪化もありドルは対ユーロで上昇した。原油安を引き金にリスク回避のスパイラルが起き、それが再び原油にも悪影響を及ぼした。下げ足速めると、週末前で売り急ぐ動きも重なり、大きく値を崩す格好となった。心理的な節目である50ドルを割り込むには至らなかったが、同水準を下抜くと、さらなる投げが誘発されることは必至の情勢。
原油情報 2018年11月22日
11/22号
21日の原油相場は反発。約1年1ヶ月ぶりの安値を付けた後ということもあり、短期的な戻りを期待した買いが優勢となった。株高やドル安も支援材料。 前日に昨年10月以来の安値を付けたこともあり、売られ過ぎ感から調整の戻りが入った。前日引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫が事前予想に反して減少したこともあり、時間外取引から戻り期待の買戻しが優勢に。売り方の利益確定の買戻しが先行するなか、この日は株式市場が反発、また伊予算案に対する楽観が広がったことでリスク選好の流れとなりドルが売られた。リスク選好度の改善は原油相場にも波及、前日に株安で売られた側面も大きかったため、買戻しや押し目買いが膨らんだ。 米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は予想以上の増加に。これで9週連続の増加。しかし、市場はこれを売り材料視せず、石油製品在庫の減少やWTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が9週ぶりに減少に転じたことを好感した。戻り機運が強まっていたため、これらを買いの手掛かり材料とした感は否めないが、戻り歩調を強め、WTI期近1月限は一時55.86ドルまで値を戻す場面も見られた。 ただし、原油在庫の増加を度外視する訳にはいかず、上値では警戒した売り物が散見され、その後は上げ幅を縮小する動きとなった。プラスサイドで引けてはいるが、リファイナリーが高稼働するなかでも原油在庫は積み増しとなっており、先行きのさらなる在庫増が懸念される。株高やドル安は十分な買い材料ではあるが、需給面からは調整の範囲内の戻りに過ぎない可能性も否めず、引き続き予断を許さない状況。
原油情報 2018年11月21日
11/21号
20日の原油相場は大幅安。需給悪化への懸念が強まり、売りが先行した。株安を受けての投資家心理の冷え込みも売りに拍車をかけた。この日から当限(期近)に回ったWTI期近1月限は一時52.77ドルまで下落し、期近ベースとしては2017年10月以来の安値を付けた。 来月の石油輸出国機構(OPEC)総会で、最大日量140万バレルの協調減産で合意するとの見方から買い戻されていたが、同調するとの意向を示したと伝わったロシアが難色を示しているという。足並みが揃わないのではとの思惑が広がり、減産観測を背景とした買いは一旦途切れた。すると戻り一巡との見方が広がり、一転して売り気が強まる格好となった。米国の原油在庫が9週連続の増加となるとの予想、トランプ米大統領のサウジ擁護の表明を受け地政学的リスクが後退したこと、米中貿易問題の解消に向けての交渉が難航していることなどが弱材料視された。 下げムードに転じると、世界的な株安を受けての投資家心理の悪化が下げ足速める要因に。米中問題や英国のEU離脱問題、伊財政不安などを背景に株価は大幅安。一方で安全資産とされるドル買い需要が強まり、原油相場にとっては株安、ドル高とマイナス要因が強い状況。リスク回避から手仕舞い売りが促され、直近安値54.75ドルを割り込むと失望感が広がり、売りが売りを呼ぶ展開から下げ幅を拡大、一時52ドル台へ値を沈める動きとなった。 なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比150万バレル減と、事前予想(290万バレル増)に反して減少した。時間外取引ではやや戻しているが、市場は米エネルギー情報局(EIA)の統計発表待ちとなっている模様。
原油情報 2018年11月20日
11/20号
週明け19日の原油相場は小幅高。感謝祭に伴う休場や短縮取引を控え、持ち高調整中心の動きのなか、石油輸出国機構(OPEC)らによる減産実施観測からやや買いが優勢となった。 来月6日に開催されるOPEC総会で、OPEC加盟国および非加盟国は減産を再開することを協議する予定。減産に前向きではないロシアもこれに同調する意思を示したと伝わり、時間外取引では買いが先行する展開となった。また、WTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫が減少したとの報も支援材料となった。 しかし、OPECが見積もっている最大で日量140万バレルの協調減産では、足元の供給過剰感解消には時間を要するとみられ、市場均衡が遅々として進まないのではとの憶測が広がり、買い一巡後は一転して売りに押される動きに。通常取引開始後は時間外の上げ幅を削る展開となり、WTI期近12月限は一時55.08ドルまで値を冷やす場面も見られた。ただ、直近の下げに対して売られ過ぎ感も意識されたため、終盤にかけて持ち直す動きとなり、ドルの下落も戻りの追い風となり、プラスサイドに再度切り返して取引を終えた。
(提供元:CREEX)