原油情報

2018年11月6日~11月12日

原油情報 2018年11月12日

11/12号

週末9日の原油相場は続落。需給緩和への警戒から売りが続き、WTI期近12月限は節目の60ドルを割り込んだ。

イラン産原油の禁輸措置に対応して、サウジアラビア、ロシアが増産体制となり、米国も過去最高の産油量を記録、9月の産油大国3カ国の産油量は日量3300万バレルを超え、記録的な水準へと引き上がった。このような状況下、米国はイラン産原油の禁輸の適用除外を認めたことで、需給緩和への警戒が強まっている。この日も売りが先行、ドル高や株安も売りに拍車を掛けた。また、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが公表した統計で、リグ稼働数が12基増加したことも相場の重石となった。

連日下値を切り下げ、この日は心理的な節目である60ドルを下抜いた。これによりロスカット絡みの売りを巻き込み、WTI期近12月限は一時59.26ドルまで下落、期近ベースとしては2月中旬以来の安値を付けた。終盤は下げ幅を縮小したが、マイナスサイドで引け、10営業日続落となった。10営業日連続の下落は1984年以来のこと。

原油情報 2018年11月9日

11/09号

8日の原油相場は続落。需給緩和状態が続くとの見方から売りに押される展開となった。WTI期近12月限は一時60.40ドルまで下落、期近ベースとしては3月中旬以来の安値を付けた。9営業日続落。

特段目新しい材料は見当たらなかったが、前日の軟調地合いを引き継いだ売りに押された。米国の原油在庫が積み上がっていることや原油生産量が過去最高を更新したことを改めて嫌気した格好。イラン産原油の供給減少懸念が後退するなか、米国の産油量は週次ベースで過去最高を更新、ロシアやサウジアラビアも高水準の生産を続けている。また、イラクやインドネシアも生産や輸出の拡大を計画していることが明らかとなり、世界的な供給過剰懸念が広がった。前日安値61.20ドルを割り込むと手仕舞い売りが集まり、節目の60ドルを視野に入れる展開となった。

このほか、外為市場でドルが対ユーロで上昇したことも圧迫要因となった。米連邦準備理事会(FRB)はこの日の米連邦公開市場員会(FOMC)で、緩やかな利上げ継続姿勢を強調した。会合前は利上げに対してトーンダウンするとの見方が出ていたが、タカ派的な姿勢を継続したことで、来月の次回会合での利上げの可能性が高まり、ドル買いが進んだ。これによりドル建てで取引される原油に割高感が意識され、売りが誘われた。

原油情報 2018年11月8日

11/08号

7日の原油相場は続落。米原油在庫が予想以上に増えたことが嫌気され、売りに押される展開となった。WTI期近12月限は一時61.20ドルまで下落し、期近ベースとしては3月中旬以来の安値を付けた。8営業日続落。

ロシアとサウジアラビアが2019年の減産の可能性について協議を開始したとの報が入り、減産決定ともなれば需給が引き締まるとの思惑が広がり、序盤は買戻しが先行していた。しかし、米エネルギー情報局(EIA)が週間石油統計を発表すると、市場のムードは一転して弱気に傾いた。

EIAが発表した週間石油統計で、原油在庫の増加幅は市場予想を上回り、7週連続の積み増しとなった。また、ガソリン在庫も予想外の増加、WTIの受渡拠点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫も7週連続で増加と、弱気な材料が多くみられる内容だったため、需給が緩むとの見方から売り気が強まった。原油在庫の増加の要因は輸入増、輸出減もあるが、生産量の増加が懸念材料。前日、EIAは短期エネルギー見通しのなかで、米国の原油生産量見通しを従来見通しから引き上げており、今後さらに増える可能性が高い。

序盤の上げ幅を削って往って来いとなり、マイナスサイドに値を崩したが、前日安値61.31ドルを幾分下回ったところでは売られ過ぎ感が意識され、終盤はやや買い戻されて取引を終えた。

原油情報 2018年11月7日

11/07号

6日の原油相場は続落。供給不安の後退から売りが先行の流れが続き、7営業日続落となった。WTI期近12月限は一時61.31ドルまで下落し、期近ベースとしては3月中旬以来の安値を付ける場面も見られた。

米国は5日に対イラン経済制裁を発動したが、日本や中国、トルコなど8カ国に対しては原油の禁輸を一時的に免除することを認めたため、イランからの供給減少に対する不安が後退している。トランプ米大統領は完全なる締め付けはしたくはないと言及しており、適用除外の決定は原油価格上昇を抑えるための措置であることは明白である。この免除を受け、イランは輸出に関して特段の支障を来していないという。供給混乱要因が薄れたことで、市場は急速に売り気づいている。

さらに米エネルギー情報局(EIA)がこの日に発表した11月の短期エネルギー見通しのなかで、需要見通しを小幅下方修正する一方で供給見通しを従来見通しから大幅に引き上げたことも圧迫要因。原油価格見通しも下方修正しており、これを手掛かりに売り気が一段と強まった。また、今晩発表の週間石油統計で、米国の原油在庫が増加するとの予想も相場を押し下げる材料となった。

なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比780万バレル増と、事前予想の240万バレル増を大幅に上回った。通常取引は62ドル台で引けていたが、時間外取引では再び61ドル台へと値を冷やしている。

原油情報 2018年11月6日

11/06号

週明け5日の原油相場は小幅続落。米国の対イラン制裁が再発動したが、8カ国に対して適用除外としたため供給不安は後退、上値の重い商状となった。

週明けのこの日、米政権がイラン制裁を再開したことで、序盤は買いが先行する展開に。前週末の段階で、イランから石油を輸入する8カ国が除外対象となることが明らかとなり相場は売られていたが、実際にイランへの制裁が再開すると、需給引き締まりへの警戒が強まった。また、トランプ米大統領は史上最強の制裁になると協調しており、供給混乱への懸念が再燃した。前週末の時間外取引で、WTI期近12月限は一時62.52ドルと期近ベースとしては4月以来の安値を付け、その反動もあり、買戻しムードが強まった。巻き戻しの動きから、一時64.14ドルまで値を戻す場面も見られた。

しかし、買いは続かず、その後は値を冷やす展開へと転じた。英、独、仏などEU3カ国が制裁に反対しているうえ、米国内でも政府に対する抗議行動が相次いだ。中間選挙を控えていることもあり、同大統領は強硬姿勢からは一転して制裁を緩やかに進める方針を示した。これを受けて市場のムードが弱気に傾倒すると、改めて8カ国の適用除外が売り材料視される格好となり、上げ幅縮小からマイナスサイドに値を崩して取引を終えた。

(提供元:CREEX

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