2018年10月23日~10月29日
原油情報 2018年10月29日
週末26日の原油相場は続伸。米国の対イラン制裁再発動を控え、需給引き締まりを警戒した買いが優勢となった。3営業日続伸。
イランの供給減少分を他の産油国が補うことが見込まれていたが、この日はイラン産原油の禁輸措置により供給に影響が出るとの見方が優勢となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国らによる監視委員会は前日、原油在庫の増加に対して警戒感を示した。サウジアラビアのファリハ・エネルギー鉱物資源相は、これまで供給引き締まりを回避すべく増産に動く方針を示していたが、同委員会では在庫削減に向けて介入が必要との見解を示した。従来の方針から一転する内容であったため、市場はこれを買い材料視した格好。
また、イラクの動向にもサポートされた。米国の制裁再発動に合わせてイランとの原油取引を停止することを明らかに。さらに北部のキルクーク油田からの輸送停止見込みという報も入ってきた。これらを受け、タイとバランスにシフトするとの観測が広がった。このほか、米株式市場は下落したが、ドルが対ユーロで軟化したため、ドル建てで取引される原油に割安感が意識された。週末を控えていることもあり、直近の下落に対する巻き戻しの動きも相場を押し上げた。
原油情報 2018年10月26日
25日の原油相場は続伸。米株式市場の反発を受け、リスク回避姿勢が後退したことで買いが優勢となった。直近の下落に対する反動からも、買いが入りやすかった。
好決算を背景に米株式市場が反発した。前日に大きく値を下げたこともあり、安値拾いの買いも入った模様。株価上昇を受け、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、リスク資産へ資金が流入、リスク資産の一角とされる原油にも投機マネーが戻ってきた格好。ただし、先行き不透明感が強い状況にさほど変化はなく、安全資産とされる債券に買いが入っているあたりからは、投資家心理の大幅改善とは判断し難く、引き続き予断を許さない状況にある。
株高を受けた買いのほか、再来週に米国による対イラン制裁再発動を控えるなか、中国の石油会社がイラン産原油の購入を手控えているとの報も買い材料視された。また、前日の統計で、需要期を前に石油製品在庫が予想以上に減少したことも改めてサポート要因となった模様。買いムードになったことで、直近の下げに対する売られ過ぎ感も意識されたため、短期の戻りを期待した買いにも支えられた。
ただし、総じて需給引き締まりへの警戒が和らいでいることや、外為市場でドルが対ユーロで上昇したこともあり、戻り高値は限られた。
原油情報 2018年10月25日
24日の原油相場は反発。前日の大幅下落の反動からやや持ち直す動きとなった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は事前予想を大幅に上回る増加となった。ここ最近、予想以上の積み増しが続いており、米国の原油需給に対して緩和感が強まっている。しかし、前日に大きく値を下げたことや、米石油協会(API)が先行発表した統計での原油在庫の増加幅ほどではなかったこともあり、手掛かり材料とする動きは限られた。一方、ガソリンおよびディスティレート在庫が予想以上の取り崩しとなったことを市場は好感、一時買い先行から67ドル台後半まで値を上げた。
ただ、この買いは続かず。石油製品在庫が予想以上に減少したとはいえ、原油在庫の増加傾向からは需給が引き締まるとの見方は弱い。短期下落に対する反動から一時的に買い材料視された感は否めず。また、ドル高、株安が重くのしかかり、買い一巡後は上げ幅を縮小する動きとなった。値ごろ感から下振れリスクは弱まりつつあるが、市場のムードが再度弱気に傾くと、原油在庫の増加を改めて弱材料視する可能性が高い点には注意が必要である。
原油情報 2018年10月24日
23日の原油相場は急反落。世界的な株安を受けて景気減速への懸念が高まり、原油相場は売られる展開となった。需給引き締まりへの警戒が和らいだことも下げ足速める要因となった。
アジア、欧州そして米国市場と株式市場が連鎖的に下落した。原油相場にとっては強材料の中東の地政学的リスクも、株式市場にとっては不安要因から売り材料視された。このほかイタリアの予算問題も株価を圧迫する要因に。また、米中通商問題に伴う企業業績への影響や、中間選挙を巡る懸念なども投資家心理を冷やした。市場心理の悪化に伴うリスク回避の流れは原油相場にも波及し、手仕舞い売りを促した。
投機マネーの流出のほか、需給見通しも弱めの材料が散見された。前日にサウジアラビアが増産姿勢を表明、さらにこの日、同国のファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、12月3日の石油輸出国機構(OPEC)総会では増産延長合意を望むと発言した。これを受けて需給緩和への見方が広がった。また、米国の原油在庫が5週連続の積み増しとなるとの市場予想も重石となった。
これらを手掛かりに売りが続出、68ドル半ばの直近安値を割り込むと売り遅れた筋の投げ(損失確定の手仕舞い売り)が膨らみ下げ足加速、一時65.74ドルまで値を崩した。2ヶ月ぶりの安値。なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比990万バレル増と急増、事前予想(370万バレル増)を大幅に上回る増加となった。これを受けて売り優勢となる場面もあったが、大きく値を下げた後ということもあり、さほど目立った動きはない。米エネルギー情報局(EIA)の発表待ちの商状。
原油情報 2018年10月23日
23日の原油相場は急反落。世界的な株安を受けて景気減速への懸念が高まり、原油相場は売られる展開となった。需給引き締まりへの警戒が和らいだことも下げ足速める要因となった。
アジア、欧州そして米国市場と株式市場が連鎖的に下落した。原油相場にとっては強材料の中東の地政学的リスクも、株式市場にとっては不安要因から売り材料視された。このほかイタリアの予算問題も株価を圧迫する要因に。また、米中通商問題に伴う企業業績への影響や、中間選挙を巡る懸念なども投資家心理を冷やした。市場心理の悪化に伴うリスク回避の流れは原油相場にも波及し、手仕舞い売りを促した。
投機マネーの流出のほか、需給見通しも弱めの材料が散見された。前日にサウジアラビアが増産姿勢を表明、さらにこの日、同国のファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、12月3日の石油輸出国機構(OPEC)総会では増産延長合意を望むと発言した。これを受けて需給緩和への見方が広がった。また、米国の原油在庫が5週連続の積み増しとなるとの市場予想も重石となった。
これらを手掛かりに売りが続出、68ドル半ばの直近安値を割り込むと売り遅れた筋の投げ(損失確定の手仕舞い売り)が膨らみ下げ足加速、一時65.74ドルまで値を崩した。2ヶ月ぶりの安値。なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比990万バレル増と急増、事前予想(370万バレル増)を大幅に上回る増加となった。これを受けて売り優勢となる場面もあったが、大きく値を下げた後ということもあり、さほど目立った動きはない。米エネルギー情報局(EIA)の発表待ちの商状。
(提供元:CREEX)