原油情報

2019年5月7日~5月10日

原油情報 2019年5月10日

9日の原油相場は反落。米中貿易問題への警戒感からリスク回避の動きが強まり、原油相場は売りが先行する展開となった。
トランプ米大統領が10日から中国製品に対して追加関税の発動を正式に通告するなか、中国商務省は報復の構えを示している。両国の関係悪化が懸念される状況下、貿易戦争回避に向けて9日から閣僚級会議を再開した。期日が迫るなかで難題が山積しており、ぎりぎりの攻防となる見通し。追加関税引き上げ回避の可能性もあるとはいえ、市場では交渉決裂を警戒してリスクオフムードが強まった。株式市場は売りが先行、商品市場においては安全資産とされる金が買われ、リスク資産の一角とされる原油は売られる格好となった。WTI期近6月限は一時60.92ドルまで値を冷やす場面も見られた。
予断を許さない状況にはあるが、その後、同大統領は習近平国家主席から書簡を受け取ったことを明らかにし、週内に協議が合意に達することへ期待感を示した。合意の可能性が示されたことで過度の警戒は後退、売り一巡から下げ幅を縮小する動きに。この日の安値からは大きく値を戻したが、プラスサイドに浮上するには至っていない。

原油情報 2019年5月9日

8日の原油相場は反発。米国の原油在庫が予想に反して減少したことを受け、供給過剰感が和らいだことを好感した買いが先行した。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は予想外の減少となった。輸入量の減少が在庫減少の主たる要因。ベネズエラへの制裁を強めた2月以降、ベネズエラ産原油の輸入量が落ち込んでいる。EIAの月次データによると、2月のベネズエラからの原油輸入量は日量28.9万バレル(前月比34.2万バレル減)と大幅な減少となった。制裁解除などない限り、今後もこの傾向が続く可能性が高く、全体の輸入量は低位で推移し、その影響で在庫は減少傾向となる公算大。また、春季のメンテナンスを明けた製油所の稼働上昇への期待もあり、需要増加に伴い在庫はさらに減少するとの見方も強い。これらの期待感から買いが優勢となった。
ただし、米中通商問題への不透明感が強く残っており、上値は限られた。米通商代表部(USTR)はこの日、官報にて対中追加関税引き上げを公示、これに対して中国側も報復の構えを見せている。一方、翌9日から始まる閣僚級協議を控えるなか、中国が合意に向けて前向きとの声も聞かれており、過度の懸念は幾分和らいでいる。リスク選好度が増すのか後退するのか協議の進展次第で、市場はその結果待ち。

原油情報 2019年5月8日

7日の原油相場は反落。米中貿易摩擦への懸念から売りが優勢となった。リスク選好度の後退により株価が下落、投資家心理が冷え込んだことも原油売りにつながった。
米中通商交渉の行方に対して不安感が高まった。5日にはトランプ米大統領が、6日には米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表から対中追加関税引き上げ方針が表明された。交渉過程で中国が約束を破っているとし、10日から現在の10%から25%に引き上げるという。これを受けて9日からワシントンで開催される閣僚級協議の行方に不安が高まり、リスク回避の動きが強まった。株価は下落し、ドルは対ユーロで上昇、原油相場の重石となった。また、エネルギー消費大国である両国の経済への悪影響が懸念され、需要減退観測も売りを誘った。WTI期近6月限は一時60.66ドルまで値を冷やす場面も見られた。
ただし、米国が中東に空母を展開していることを明らかにしており、イランとの緊張の高まりへの警戒があるため、下値を売り込むには至らず。また、米政権は2日からイラン産原油の全面禁輸に踏み切っているため、イランからの供給減少により需給が引き締まるとの見方も下値を支えた。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比280万バレル増と事前予想(120万バレル増)を上回る増加となった。これを受けて時間外取引で一時売りが優勢となる場面も。

原油情報 2019年5月7日

週明け6日の原油相場は続伸。米中貿易摩擦への懸念から売りが先行したが、中東情勢の緊張への警戒から買い戻され、プラスサイドに浮上した。
米中貿易戦争への懸念が強まり、一時売り込まれる場面も見られた。トランプ米大統領が5日、中国製品に対して10日から追加関税を引き上げる方針を明らかにした。これを受け投資家心理が急速に冷え込み、WTI期近6月限は60ドル割れ目前の60.04ドルまで値を崩した。
しかし、その後は買い戻される展開に。同日、ボルトン米大統領補佐官が、イランの挑発的な行動に対応し、空母など新たな戦力を中東に派遣することを明らかにした。これに対してイランが反発して緊迫化するのではとの警戒感が広がり、下げ幅を縮小する動きへと転じた。節目の60ドルを割り込まなかったことも、短期ショート筋の買戻しを誘った。また、翌6日には中国外務省が米国との閣僚級協議を準備していると発表し、米中貿易戦争への警戒が幾分和らいだことも買いにつながった。
序盤の下げから一転して値を戻す展開となり、プラスサイドへと浮上、一時は62.95ドルまで値を上げる場面も見られた。値幅は3ドル近くとボラタイルな値動きとなっている。

(提供元:CREEX

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