2019年3月12日~3月18日
原油情報 2019年3月18日
週末15日の原油相場は小反落。主要産油国の減産による需給引き締まり観測から買いが先行、WTI期近4月限は一時58.95ドルまで上昇し、期近ベースとしては約4ヶ月ぶりの高値を付けた。しかし、週末要因を控えていることから利食い売りに押され、小幅ながら値を崩した。
国際エネルギー機関(IEA)が公表した月例報告のなかで、2月の石油輸出国機構(OPEC)らによる協調減産は1月よりも進んだことが確認された。特にOPEC盟主であるサウジアラビアが積極的に減産していることから、世界的な供給過剰感が解消に向かい、需給が均衡するとの期待が広がった。また、ドル安も相場の支援材料に。朝方に発表された米経済指標が低調だったことを受け、ドルは対主要通貨で売られる展開となった。これによりドル建てで取引される原油に割安感が意識され買いが促された。前日の堅調地合いを引き継ぎ買いが先行、一時58.95ドルまで値を伸ばした。
しかし、週末を控えていることから持ち高調整絡みの動きとなり、4ヶ月ぶりの高値を付けた後というタイミングが重なり、利益確定の売りに押される展開に。下げに転じると、これまで買いで反応した材料に対して懐疑的な見方が広がり、逆に売り材料視された。サウジアラビアは減産に積極的だが、その他のOPEC加盟国はそこまで積極的ではない。また、米経済指標が弱い内容だったためドル安が買い材料となっていたが、米国の経済成長の鈍化に伴いエネルギー需要が伸び悩むとの見方も。序盤の上げ幅を縮小する動きとなり、マイナスサイドへと値を冷やした。なお、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズが公表した統計で、リグ稼働数は4週連続の減少となったが、市場の反応は限られた。
原油情報 2019年3月15日
14日の原油相場は続伸。需給引き締まりへの期待から買いが先行した。WTI期近4月限は一時58.74ドルまで上昇し、期近ベースとしては約4ヶ月ぶりの高値を付けた。
前日の週間石油統計で、米国の原油在庫およびガソリン在庫が減少したことを引き続き好感、堅調地合いを維持した。確りとしたムードのなか、この日に石油輸出国機構(OPEC)が発表した月報で、2月のOPEC生産量が前月から減少したことが明らかとなり、協調減産により需給が改善へと向かっていることが示された。減産幅は前の月に比べ鈍化したが、サウジアラビアが積極的に減産を進めていることが確認できる。また、政情不安および米国による制裁の影響でベネズエラの産油量が落ち込んでおり、現在の大停電による影響を加味すると、さらなる減少が見込まれる。これらを背景に需給均衡に向かっているとの見方が広がり、買いが優勢となった。
前日高値58.48ドルを上抜くと買いに拍車がかかり、一時58.74ドルまで上伸する場面も見られた。OPECは減産しているがそのペースが鈍化していること、米中通商合意をめぐっての不透明感、それに直近の上昇による高値警戒もあり買いは一服したが、目立った利食い売りなどは見られず、高値付近で取引を終えている。
原油情報 2019年3月14日
13日の原油相場は続伸。米国の原油在庫が予想外に減少したことを好感、買いが先行した。WTI期近4月限は一時58.48ドルまで上昇し、期近ベースとしては年初来高値を更新した。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は事前予想に反して減少した。原油生産量および輸入量が減少したことが在庫減少の要因。活発なシェール活動の影響で、生産量は増加傾向にあったが、それが減少に転じたことを市場は好感した。また、前週の統計では回復を示した輸入量が再び減少、サウジアラビアが輸出を減らす方針を示しているうえ、制裁によりベネズエラ産の輸入量も減少することが見込まれており、輸入量が低迷することも懸念される。供給減少により在庫が予想に反して取り崩しとなったことで、需給引き締まりへの期待が広がった。ベネズエラでは大停電の影響で石油関連施設の操業が落ち込んでおり、これも需給引き締まりにつながるとの見方が強くある。また、原油在庫の減少に加え、ドライブシーズンをこの先に控えるガソリンの在庫が予想以上に減少したこともプラス要因として捉えられた。
これらを背景に相場は買いが先行、3月1日に付けた直近高値57.88ドルを上抜くと、ストップロスの買いオーダーを巻き込み上げ幅を拡大、一時58.48ドルと約4ヶ月ぶりの高値まで上伸した。買い一巡後は小緩んだものの、58ドル台を維持して引けている。
原油情報 2019年3月13日
12日の原油相場は小幅続伸。世界的に需給が均衡へ向かうとの期待感から買いが優勢となった。ドル安もサポート要因。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した短期エネルギー見通しのなかで、米国の原油生産量見通しが従来見通しから下方修正された。協調減産の影響から石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量見通しも引き下げられ、今年の世界全体の原油供給量は前月見通しに比べて日量32万バレルの下方修正となった。また、ベネズエラの石油関連施設が操業停止となっている。米国による制裁に伴い生産・輸出量が減っている同国で、政情不安のほか大停電が続いている。7日の発生以降、電力の復旧は一部のみで、停電解消のめどは立っていない。自前の電力で操業している企業もあるが、送電網に頼っている施設が多い。この停電の影響で、石油生産設備や輸出ターミナルなども操業停止に追い込まれており、同国からの供給量が一段と減少している。これらを背景に、需給バランスが供給過剰から均衡へと進むとの観測が広がり、買いが優勢となった。
このほか2月の米CPIが予想を下回ったことでドルが対ユーロで下落、ドル建てで取引される原油に割安感が増したことにもサポートされた。WTI期近4月限は一時57.55ドルまで上昇し、期近ベースとしては3月1日に付けた年初来高値57.88ドルに迫る場面も見られた。ただし、値を上げた場面では高値警戒もあり、買い一巡後は利食い売りに押されて上げ幅を縮小、前日対比では小幅な上げにとどまった。
なお、引け後に米石油協会(API)が発表した週間石油統計で、原油在庫は前週比260万バレル減と、事前予想(270万バレル増)に反して減少した。これを受け、時間外取引では57ドル台を再び回復している。
原油情報 2019年3月12日
週明け11日の原油相場は反発。サウジアラビアが減産を継続する方針を示したことを受け、需給が引き締まるとの見方から買いが先行した。
サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は前日、6月の石油輸出国機構(OPEC)総会前に減産方針を変更する可能性は低いとの見解を示した。また同相は、3月の同国原油生産量は日量980万バレルで、4月も同レベルを維持する予定であると述べている。協調減産合意のもとでの同国の生産目標は日量1031万バレルほどで、この水準を大幅に下回る生産を維持することになる。
また、サウジアラビアの当局者によると、4月の原油輸出量は日量700万バレル以下に削減する方針だという。この輸出減少により、サウジアラビア国営石油サウジアラムコの石油割当量は、各国の需要家の求める水準をどう63.5万バレル下回る見通し。供給過剰解消に向けて、積極的な減産姿勢を継続する方針が示されたことを市場は好感、需給均衡が進むとの期待から買いが先行する展開となった。
このほか、米株式市場が6営業日ぶりに反発したことで投資家心理が改善したことや、中国の景気刺激策表明を受けて景気減速への懸念が後退したことなども支援材料となった。WTI期近4月限は一時57.01ドルまで上昇する場面も見られた。
(提供元:CREEX)